補給物資、万葉集試訳

■補給物資


万葉集試訳

2339 【承前,十二第三。】
 吉名張乃 野木爾零覆 白雪乃 市白霜 將戀吾鴨
 吉隱(よなばり)の 野木(のぎ)に降覆(ふりおほ)ふ 白雪(しらゆき)の 灼然(いちしろ)くしも 戀(こ)ひむ我(あれ)かも
 初荑吉隱間 野中立木所零覆 皓雪之所如 明目張膽顯灼然 公諸之戀吾豈為
佚名 2339

「野木(のぎ)」,豎立於原野間之樹木。
「白雪(しらゆき)の」,以上,帶出「灼然(いちしろ)く」之序。
「灼然(いちしろ)くしも 戀(こ)ひむ我(あれ)かも」,「灼然(いちしろ)く」表顯著,本劇為反語,表示自己無論內心多麼戀慕對方,皆無法顯現於外令外人察覺。

2340 【承前,十二第四。】
 一眼見之 人爾戀良久 天霧之 零來雪之 可消所念
 一目見(ひとめみ)し 人(ひと)に戀(こ)ふらく 天霧(あまぎ)らし 降來(ふりく)る雪(ゆき)の 消(け)ぬべく思(おも)ほゆ
 轉瞬所瞥見 戀彼一會伊人者 猶如天霧之 曇空沫雪降零來 可消心意更鬱沉
佚名 2340

「人(ひと)に戀(こ)ふらく」,「戀(こ)ふらく」乃「戀(こ)ふ」之く句法。
類歌2342。

2341 【承前,十二第五。】
 思出 時者為便無 豐國之 木綿山雪之 可消所念
 思出(おもひいづ)る 時(とき)は術無(すべな)み 豐國(とよくに)の 木綿山雪(ゆふやまゆき)の 消(け)ぬべく思(おも)ほゆ
 每逢憶出時 手足無措不知方 洽猶豐國之 木綿山間所零雪 可消心意更鬱沉
佚名 2341

「時(とき)は術無(すべな)み」,複合形容詞「術無み」之く句法。
「木綿山雪(ゆふやまゆき)の」,以上兩句乃引出「消(け)ぬ」之序,借用豐後國之山者,蓋以暖國降雪稀少而言。
類歌3036。

2342 【承前,十二第六。】
 如夢 君乎相見而 天霧之 落來雪之 可消所念
 夢如(いめのごと) 君(きみ)を相見(あひみ)て 天霧(あまぎ)らし 降來(ふりく)る雪(ゆき)の 消(け)ぬべく思(おも)ほゆ
 如夢又似幻 轉瞬逢晤吾君者 猶如天霧之 曇空沫雪降零來 可消心意更鬱沉
佚名 2342

「君(きみ)を相見(あひみ)て」,此處之「相(あひ)」屬接頭語,相互之意味較輕。
類歌2340。

2343 【承前,十二第七。】
 吾背子之 言愛美 出去者 裳引將知 雪勿零
 我(わ)が背子(せこ)が 言愛(ことうるは)しみ 出(いで)て行(い)かば 裳引(もび)き著(しる)けむ 雪勿降(ゆきなふ)りそね
 親親吾夫子 愛憐睦言引心弦 因而出去者 不欲衣裳班跡著 還望皓雪莫紛降
佚名 2343

「言愛(ことうるは)しみ」,愛字之訓有「うつはし」與「うつくし」兩說。「うるはし」多用於讚美,而「うつくし」多在於庇護。
「裳引(もび)き著(しる)けむ 雪勿降(ゆきなふ)りそね」,希望雪末降至衣服斑駁。「著(しる)」於茲乃顯著之意。

2344 【承前,十二第八。】
 梅花 其跡毛不所見 零雪之 市白兼名 間使遣者【一云,零雪爾,間使遣者,其將知奈。】
 梅花(うめのはな) 其(それ)とも見(み)えず 降雪(ふるゆき)の 灼然(いちしろ)けむな 間使遣(まつかひや)らば【一云(またにいふ)、降雪(ふるゆき)に、間使遣(まつかひや)らば、其(それ)と知(し)らなむ。】
 孰為梅花哉 混淆難辨盡斑白 降雪之所如 如斯灼然引人目 若遣間使前去者【一云,零雪覆第時,若遣間使以往者,人見足跡將知哉。】
佚名 2344

「梅花(うめのはな) 其(それ)とも見(み)えず」,雪與白梅相參,難以辨別。
「灼然(いちしろ)けむな」,顯著、明瞭。
「間使(まつかひ)」,代為傳達書信或口訊之人。
「其(それ)と知(し)らなむ」,主語為他人。本歌云若遣使者探問,則兩人之關係如大雪般引人側目,將為天下所知。一云則以雪中若遣使人,必留足跡而將為他人所知。

2345 【承前,十二第九。】
 天霧相 零來雪之 消友 於君合常 流經度
 天霧(あまぎ)らひ 降來(ふりく)る雪(ゆき)の 消(け)なめども 君(きみ)に逢(あ)はむと 流(なが)らへ渡(わた)る
 天霧曇空而 零來沫雪之所如 雖然將消逝 一心欲與君再逢 延命流離在人世
佚名 2345

「天霧(あまぎ)らひ」,複合動詞「天霧(あまぎ)る」之持續態。
「降來(ふりく)る雪(ゆき)の」,以上乃引出「消(け)」之序。
「消(け)なめども」,「め」乃推量助動詞「む」之已然型。下接第五句。
「流(なが)らへ渡(わた)る」,「流らふ」為「流る」之持續態。表面上指雪持續隨風飄揚,比喻雖然苦戀欲死仍勉強活下去之狀。

2346 【承前,十二第十。】
 窺良布 跡見山雪之 灼然 戀者妹名 人將知可聞
 窺狙(うかねら)ふ 跡見山雪(とみやまゆき)の 灼然(いちしろ)く 戀(こ)ひば妹(いも)が名(な) 人知(ひとし)らむかも
 竊狙望聲色 跡見山雪之所如 灼然引人目 若是猶此戀伊人 蓋遭天下人週知
佚名 2346

「窺狙(うかねら)ふ」,「跡見」之枕詞。亦見於1576「此岡に 雄鹿踏起し 竊狙ひ 左右もすらく 君故にこそ」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1576
「跡見山雪(とみやまゆき)の」,普通名詞之「跡見」指觀察獵物足跡推測其經過之時間、方向。以上乃帶出「灼然(いちしろ)く」之序文。

2347 【承前,十二十一。】
 海小船 泊荑乃山爾 落雪之 消長戀師 君之音曾為流
 海人小舟(あまをぶね) 泊荑山(はつせのやま)に 降雪(ふるゆき)の 日長(けなが)く戀(こ)ひし 君(きみ)が音(おと)そする
 海人小舟泊 長谷泊荑峻山間 降雪消融之 戀慕時日日已久 未見伊人音訊來
佚名 2347

「海人小舟(あまをぶね)」,以泊舟而為地名「泊荑」之枕詞。
「降雪(ふるゆき)」,以上,以降雪之「消(け)」同音作為「日(け)」之序文。
「君(きみ)が音(おと)そする」,「音(おと)」指動作帶來之聲音,動靜。