補給物資、万葉集試訳

■補給物資

万葉集試訳

2387 【承前,卌七二十。】
 日位 人可知 今日 如千歲 有與鴨
 日並(ひなら)べば 人知(ひとし)りぬべし 今日日(けふのひ)は 千年如(ちとせのごと)も 有與(ありこ)せぬ哉(かも)
 日復一日者 此戀當為眾人察 相逢在今宵 但願今日此一日 能猶千秋萬歲長
柿本人麻呂 2387

「日並(ひなら)べば」,日復一日相見。原文「位」,『萬象名義』云:「列也。」
「今日日(けふのひ)は」,久久相逢之今日。
「有與(ありこ)せぬ哉(かも)」,「與(こ)せ」與「くれ」同,ぬかも表希求。

2388 【承前,卌七廿一。】
 立座 態不知 雖念 妹不告 間使不來
 立(た)ちて居(ゐ)て 態(たどき)も知(し)らず 思(おも)へども 妹(いも)に告(つ)げねば 間使(まつかひ)も來(こ)ず
 坐立咸不安 手足無措不知方 吾雖戀伊人 落花有意水無情 未聞其言無使至
柿本人麻呂 2388

「立(た)ちて居(ゐ)て」,心情忐忑,修飾第三句「思」字。
「態(たどき)」,方法、手段、狀態、樣子。

2389 【承前,卌七廿二。】
 烏玉 是夜莫明 朱引 朝行公 待苦
 烏玉(ぬばたま)の 此夜莫明(このよなあ)けそ 赤(あか)らひく 朝行(あさゆ)く君(きみ)を 待(ま)たば苦(くる)しも
 漆鄢烏玉兮 是夜春宵願莫明 赤輝朱曜兮 朝日送君離歸去 俟君復臨甚艱辛
柿本人麻呂 2389

「烏玉(ぬばたま)の」,夜之枕詞。
「赤(あか)らひく」,朝、日之枕詞。赤色光耀之狀。
雖知當晚將再度來訪,但必須等整整一日才能再度相逢,是故心願春宵莫明。


2390 【承前,卌七廿三。】
 戀為 死為物 有者 我身千遍 死反
 戀(こひ)するに 死(しに)する物(もの)に 有(あ)らませば 我(あ)が身(み)は千度(ちたび) 死(し)に反(かへ)らまし
 若以戀慕情 得至一死殞命者 度吾日所念 能令己身千遍死 巧使吾人百重生
柿本人麻呂 2390

「戀(こひ)するに」,原文「戀為」,舊訓作「戀(こひ)をして」,今依嘉曆傳承本改之。
「死(し)に反(かへ)らまし」,「反(かへ)る」表反覆。『游仙窟』有「能令公子百重生,巧使王孫千回死。」
類歌0603 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m04.htm#0603


2391 【承前,卌七廿四。】
 玉響 昨夕 見物 今朝 可戀物
 玉限(たまかぎ)る 昨日夕(きのふのゆふへ) 見(み)し物(もの)を 今日朝(けふのあした)に 戀(こ)ふべき物(もの)か
 玉剋魂極兮 昨日之夕才相見 春宵總苦短 今日之朝一旦離 竟已相思至幾許
柿本人麻呂 2391

「玉限(たまかぎ)る」,「夕」之枕詞。原文「玉響」,以玉之玲瓏聲響比喻閃閃發光之斷續。
「今日朝(けふのあした)に」,此歌以日出之時為一日之始,同於現代。而上代多以日沒唯一日之始。
「戀(こ)ふべき物(もの)か」,「べき物(もの)か」與「べしや」同,此為自責用句。
自嘲昨夕方才見面,怎知今朝就思念不已。

2392 【承前,卌七廿五。】
 中中 不見有 從相見 戀心 益念
 中中(なかなか)に 見(み)ざりしよりも 相見(あひみ)ては 戀(こひ)しき心(こころ) 筯(ま)して思(おも)ほゆ
 相較憖片而 不得相逢之時者 自於相見起 戀心絲毫未稍退 反而徒筯更生悵
柿本人麻呂 2392

「中中(なかなか)に」,不上不下,有所殘欠。或有作「反而」,而用於修飾「相見(あひみ)」之說。

2393 【承前,卌七廿六。】
 玉桙 道不行為有者 惻隱 此有戀 不相
 玉桙(たまほこ)の 道行(みちゆ)かずあらば 惻隱(ねもころ)の 斯(か)かる戀(こひ)には 逢(あ)はざらましを
 玉桙華道兮 康莊大道不行者 如今所胸懷 由衷惻隱此戀慕 無由逢之豈傷神
柿本人麻呂 2393

「道行(みちゆ)かずあらば」,反事實假定。
「惻隱(ねもころ)の」,由衷的。原文惻隱乃發自內心深處之悲哀。

2394 【承前,卌七廿七。】
 朝影 吾身成 玉垣入 風所見 去子故
 朝影(あさかげ)に 我(あ)が身(み)は成(なり)ぬ 玉限(たまかき)る 仄(ほの)かに見(み)えて 去(い)にし兒故(こゆゑ)に
 稀薄淡闇兮 晨曦朝影吾身成 玉剋魂極兮 風聞朦朧一瞥而 不知所向之子故
柿本人麻呂 2394

「朝影(あさかげ)に 我(あ)が身(み)は成(なり)ぬ」,朝影乃晨曦時受薄明之光照耀所產生的淡影。影於茲表不確定、渺茫之物。
「玉限(たまかき)る」,「仄(ほの)か」之枕詞。
「仄(ほの)かに」,無法清楚看見、聽見之狀。原文「風」字來自「風聞」。
3085重出。『日本靈異記』狐為妻令生子緣有「戀は皆 我が上に落ちぬ たまかぎる はろかに見えて 去にし子ゆゑに」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/ryoiki/ryoiki01a.htm#02 之曲。

2395 【承前,卌七廿八。】
 行行 不相妹故 久方 天露霜 沾在哉
 行(い)けど行(い)けど 逢(あ)はぬ妹故(いもゆゑ) 久方(ひさかた)の 天露霜(あまつゆしも)に 濡(ぬ)れにけるかも
 行訪無絕日 卻不予會之子故 遙遙久方兮 天之露霜沾吾衣 漬濡令濕更寂寥
柿本人麻呂 2395

「行(い)けど行(い)けど」,無論行訪幾度。
「天露霜(あまつゆしも)」,「露霜(つゆしも)」乃露之雅語。

2396 【承前,卌七廿九。】
 玉坂 吾見人 何有 依以 且一目見
 偶(たま)さかに 我(わ)が見(み)し人(ひと)を 如何(いか)にあらむ 依(よ)しを持(も)ちてか 且一目見(またひとめみ)む
 不意所邂逅 吾所一見傾心人 魂牽復夢縈 當以何由依何機 得以再逢復見哉
柿本人麻呂 2396

「偶(たま)さかに」,偶然,有幸邂逅。
「依(よ)しを持(も)ちてか」,「依(よ)」乃機緣。
「且一目見(またひとめみ)む」,「且」或本原文書「亦」,此依廣荑本。『日本紀私記』乙本訓「且」作「また」。

2397 【承前,卌七三十。】
 蹔 不見戀 吾妹 日日來 事繁
 蹔(しましく)も 見(み)ねば戀(こひ)しき 我妹子(わぎもこ)を 日(ひ)に日(ひ)に來(く)れば 言繁(ことのしげ)けく
 縱使蹔須臾 片刻不見令人戀 相思吾妹者 若是日日來逢者 唯恐流言蜚語繁
柿本人麻呂 2397

「言繁(ことのしげ)けく」,く句法終止乃詠嘆文末語氣。

2398 【承前,卌七卅一。】
 年切 及世定 恃 公依 事繁
 年極(としきは)る 世迄(よまで)と定(さだ)め 褚(たの)みたる 君(きみ)に因(よ)りては 言繁(ことしげ)くとも
 既是積年歲 定情此世永不渝 憑褚寄此生 我所鍾情吾君者 縱令蜚語無所懼
柿本人麻呂 2398

「年極(としきは)る」,漸漸積年累月而去。蓋與枕詞「玉極はる」有關。
「世迄(よまで)と定(さだ)め」,心中決意相戀至壽命結束之日。此「世」表人生、生命。
「君(きみ)に因(よ)りては」,若是因汝之故。
「言繁(ことしげ)くとも」,其後省略「無所謂、無所懼」之語。

2399 【承前,卌七卅二。】
 朱引 秦不經 雖寐 心異 我不念
 赤引(あからひ)く 肌(はだ)も觸(ふ)れずて 寢(ね)たれども 心(こころ)を異(け)には 我(わ)が思(おも)は無(な)くに
 姝麗紅顏兮 嬌嫩肌膚雖不觸 孤枕而眠者 我心鍾情未嘗改 絲毫無異仍懸君
柿本人麻呂 2399

「赤引(あからひ)く」,「肌(はだ)」之枕詞。發出赤色光輝,紅顏之意。
「肌(はだ)も觸(ふ)れずて」,原文「秦不經」之「秦、經」乃借訓。祝詞大祓詞「生膚斷」於『倭姬命世記』做「生秦斷」。經乃下二段ふ之已然型。
「心(こころ)を異(け)には 我(わ)が思(おも)は無(な)くに」,「異(け)」表對對方無實意或有貳心。なくに乃詠嘆用法。

2400 【承前,卌七卅三。】
 伊田何 極太甚 利心 及失念 戀故
 乞何(いでなに)か 幾許甚(ここだはなは)だ 利心(とごころ)の 失(う)する迄思(までおも)ふ 戀故(こひゆゑ)にこそ
 何以如此者 吾人喪心甚幾許 理性盡失而 千頭萬緒所念哉 蓋以真情所戀故
柿本人麻呂 2400

「乞何(いでなに)か」,「乞(いで)」乃有求之時所發的感動詞,即便是捫心自問。「何(なに)か」乃追尋理由之疑問副詞。
「利心(とごころ)」,理性。「利(と)」乃敏銳、聰明之意。

2401 【承前,卌七卅四。】
 戀死 戀死哉 我妹 吾家門 過行
 戀死(こひし)なば 戀(こひ)も死(し)ねとや 我妹子(わぎもこ)が 我家門(わぎへのかど)を 過(す)ぎて行(ゆ)くらむ
 君意蓋如茲 若苦相思欲戀死 戀死而可哉 落花有意水無情 伊人素過我家門
柿本人麻呂 2401

「過(す)ぎて行(ゆ)くらむ」,「過(す)ぎ」乃過而不入。「らむ」表推量他人意圖。

2402 【承前,卌七卅五。】
 妹當 遠見者 恠 吾戀 相依無
 妹(いも)が邊(あた)り 遠(とほ)くも見(み)れば 恠(あやし)くも 我(あれ)は戀(こ)ふるか 逢由(あふよし)を無(な)み
 窈窕伊人許 每當遙遙望見者 奇也恠矣哉 吾人戀慕難自已 分明相隔無逢由
柿本人麻呂 2402

「恠(あやし)くも 我(あれ)は戀(こ)ふるか」,無由、詭譎,作者自我批評、自嘲之語。「か」為詠嘆。
既然無以相逢,相思如此又有何益?

2403 【承前,卌七卅六。】
 玉久世 清川原 身秡為 齋命 妹為
 玉曲荑(たまくせ)の 清川原(きよきかはら)に 禊(みそぎ)して 齋命(いはふいのち)は 妹(いも)が為(ため)こそ
 玲瓏玉曲荑 聖哉淨冽川原間 吾人祓身禊 清淨潔齋此命者 一為吾所慕伊人
柿本人麻呂 2403

「玉曲荑(たまくせ)の」,「玉(たま)」乃美稱接頭語,「曲荑(くせ)」為表多砂川原之地形語。
「禊(みそぎ)」,至水邊淨身之行為。漸漸與祓除擠身罪孽之禊払混同。
「齋命(いはふいのち)」,「命(いのち)」與身同。

2404 【承前,卌七卅七。】
 思依 見依物 有 一日間 忘念
 思寄(おもひよ)り 見寄(みよ)りて物(もの)は ある物(もの)を 一日間(ひとひのあひだ)も 忘(わす)れて思(おも)へや
 雖云世常理 思案相依能生情 吾等雖兩隔 縱然一日不得近 豈有片刻忘此情
柿本人麻呂 2404

「思寄(おもひよ)り 見寄(みよ)りて物(もの)は ある物(もの)を」,反覆思考,漸漸接近,近水樓台,方能生情。雖說如此,縱然無法相逢,豈有忘情之理。

2405 【承前,卌七卅八。】
 垣廬鳴 人雖云 狛錦 紐解開 公無
 垣穗為(かきほな)す 人(ひと)は言(い)へども 高麗錦(こまにしき) 紐解開(ひもときあ)けし 君(きみ)なら無(な)くに
 眾聚如垣穗 輭言輭語雖繁雜 然天地為證 端莊潔淨高麗錦 君非擅解其紐人
柿本人麻呂 2405

「垣穗為(かきほな)す」,眾人圍成高牆責難之狀。
「紐解開(ひもときあ)けし」,相互解開對方衣紐,共度春宵之意。
女方對於他人之輭言輭語,主張己身交際潔白之曲。

2406 【承前,卌七卅九。】
 狛錦 紐解開 夕谷 不知有命 戀有
 高麗錦(こまにしき) 紐解開(ひもときあ)けて 夕(ゆふへ)だに 知(し)らざる命(いのち) 戀(こ)ひつつやあらむ
 端莊高麗錦 衣紐解兮盼君臨 不知此命者 可以堪至夕暮哉 如是焦戀苦相思
柿本人麻呂 2406

「紐解開(ひもときあ)けて」,古俗以為,下紐自解乃戀人將訪之兆。亦有解開衣紐,以祈伊人速來之俗信。
「夕(ゆふへ)だに 知(し)らざる命(いのち)」,不知此命可否撐到夕暮相會之時。原文「夕谷」或做「夕戶」,按『萬葉考』訛也。

2407 【承前,卌七四十。】
 百積 船潜納 八占刺 母雖問 其名不謂
 百積(ももさか)の 船隱入(ふねかくりい)る 八占指(やうらさ)し 母(はは)は問(と)ふとも 其名(そのな)は告(の)らじ
 百積堂皇兮 大船隱入浦所如 八占探天機 縱令家母問言繁 妾身豈輙告君名
柿本人麻呂 2407

「百積(ももさか)の 船隱入(ふねかくりい)る」,足以容納積載百石之大船停靠之海浦。藉「浦(うら)」與「占(うら)」同音而為「八占」之序。「正述心緒」歌中用序者實屬罕見。
「八占指(やうらさ)し」,以各式各樣之占卜探問。「指(さ)し」乃設置之意。

2408 【承前,卌七卌一。】
 眉根削 鼻鳴紐解 待哉 何時見 念吾
 眉根搔(まよねか)き 鼻鳴紐解(はなひひもと)け 待(ま)つらむか 何時(いつ)かも見(み)むと 思(おも)へる我(あれ)を
 想君今何如 蓋是搔眉鼻鳴而 解紐鄉待哉 心念伊人欲相逢 兩隔異地俟吾矣
柿本人麻呂 2408

「眉根搔(まよねか)き 鼻鳴紐解(はなひひもと)け」,古俗以為,打噴嚏與下紐自解,乃戀人將至之徵。「眉根」同「眉」。
男子因生病而無法前去與戀人相會,擬戀人心意所作之曲。類歌2808。

2409 【承前,卌七卌二。】
 君戀 浦經居 悔 我裏紐 結手徒
 君(きみ)に戀(こ)ひ 衷觸居(うらぶれを)れば 悔(くや)しくも 我(わ)が下紐(したびも)の 結手徒(ゆふていたづら)に
 戀君情甚苦 沉溺憂思鬱抑時 懊悔悲恨矣 徒解下紐復結兮 夜夜盼君君不來
柿本人麻呂 2409

「結手徒(ゆふていたづら)に」,「徒(いたづら)に」表徒然、無效。古俗以為解去內衣之紐,則可令戀人早至。然而戀人不臨,解而結之,全無效驗,盡皆空虛。屬閨怨之語。

2410 【承前,卌七卌三。】
 璞之 年者竟杼 敷白之 袖易子少 忘而念哉
 新(あらた)まの 年(とし)は果(は)つれど 敷栲(しきたへ)の 袖交(そでか)へし兒(こ)を 忘(わす)れて思(おも)へや
 雖日新月異 一年既竟歲已暮 白妙敷栲兮 曾相交袖共枕眠 窈窕娘子豈忘哉
柿本人麻呂 2410

「年(とし)は果(は)つれど」,「果(は)つれ」原文「竟」者,古本『玉篇』云:「終也。」
「敷栲(しきたへ)の」,床、枕、衣手、袖之枕詞。
「袖交(そでか)へし兒(こ)を」,「交(か)へ」乃交錯、交纏。
「忘(わす)れて思(おも)へや」,「思(おも)へや」乃反語。自身情意濃厚、真切,縱然久不相見,豈會無情忘之。

2411 【承前,卌七卌四。】
 白細布 袖小端 見柄 如是有戀 吾為鴨
 白栲(しろたへ)の 袖(そで)を小端(はつはつ) 見(み)しからに 如是戀(かかるこひ)をも 我(あれ)はする哉(かも)
 素妙白栲兮 衣手小端稍瞥見 不過如此者 竟然心懸猶刻骨 如是焦戀將為哉
柿本人麻呂 2411

「小端(はつはつ)」,稍微。形容觀看或接觸程度之少,令人無法滿足。
「見(み)しからに」,表原因輕微而導致之結果重大。(不過忘了一眼,卻難忘得焦於苦戀。)

2412 【承前,卌七卌五。】
 我妹 戀無乏 夢見 吾雖念 不所寐
 我妹子(わぎもこ)に 戀術無(こひすべな)がり 夢(いめ)に見(み)むと 我(あれ)は思(おも)へど 寢(い)ねら得無(えな)くに
 雖然戀伊人 苦無逢猶隔異地 雖然有所思 欲將相會在夢田 無奈輾轉不得眠
柿本人麻呂 2412

「戀術無(こひすべな)がり」,「術無(すべな)がり」與「術無(すべな)み」同。不知如何是好。
「寢(い)ねら得無(えな)くに」,「ら得(え)」乃表可能之助動詞「らゆ」之未然型。

2413 【承前,卌七卌六。】
 故無 吾裏紐 令解 人莫知 及正逢
 故(ゆゑ)も無(な)く 我(わ)が下紐(したびも)を 解(と)けしめて 人(ひと)に莫知(なし)らせ 直(ただ)に逢迄(あふまで)に
 無故亦無由 令吾下紐自解矣 其為所徵哉 莫令人知勿張揚 迄於直相來逢矣
柿本人麻呂 2413

「解(と)けしめて」,自動辭下二段未然型。古俗以為,內衣衣紐自解,乃戀人將訪之兆。

2414 【承前,卌七卌七。】
 戀事 意追不得 出行者 山川 不知來
 戀(こ)ふる事(こと) 慰兼(なぐさめか)ねて 出(いで)て行(ゆ)けば 山(やま)を川(かは)をも 知(し)らず來(き)にけり
 心欲慰戀事 意拂不得難撫平 因而出行者 不辨山川心神亂 竟然不覺至此處
柿本人麻呂 2414

「慰兼(なぐさめか)ねて」「慰(なぐさ)め」原文「意追」,乃指趕走憂欲之情。2452將之訓作「こころやり」。
「山(やま)を川(かは)をも」,「山をも川をも」之略。
男子嘆訴不知不覺走到心儀女性家前心境之曲。

2415 寄物陳思 【九三第一。】
 處女等乎 袖振山 水垣乃 久時由 念來吾等者
 娘子等(をとめら)を 袖振山(そでふるやま)の 瑞垣(みづかき)の 久(ひさ)しき時(とき)ゆ 思(おも)ひけり我(あれ)は
 娘子揮袖振 布留山座石上振 神宮瑞垣之 歷時彌久洽所如 吾亦慕君自遠昔
柿本人麻呂 2415

「娘子等(をとめら)を」,以揮袖而為地名布留之枕詞。
「瑞垣(みづかき)の」,經年不變,清潔無暇之比喻。石上神宮樓門題字「萬古彌新」。
異傳歌0501注人麻呂所做。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m04.htm#0501

2416 【承前,九三第二。】
 千早振 神持在 命 誰為 長欲為
 千早振(ちはやぶ)る 神持(かみのも)たせる 命(いのち)をば 誰(た)が為(ため)にかも 長(なが)く欲為(ほりせ)む
 千早振稜威 神靈所授此命者 三界如火宅 吾耐無常不如意 苟延憂世所為誰
柿本人麻呂 2416

「千早振(ちはやぶ)る」,神之枕詞。
「誰(た)が為(ため)にかも 長(なが)く欲為(ほりせ)む」,反問語句。忍受世間苟活為誰,除你之外不有他人。

2417 【承前,九三第三。】
 石上 振神杉 神成 戀我 更為鴨
 石上(いそのかみ) 布留神杉(ふるのかむすぎ) 神(かむ)さぶる 戀(こひ)をも我(あれ)は 更(さら)にするかも
 石上振神宮 布留神杉之所如 蒼然蘊古意 泰然自若抑情熱 斯戀吾更將為之
柿本人麻呂 2417

「布留神杉(ふるのかむすぎ)」,以上,引出「神(かむ)さぶる」之序。
「神(かむ)さぶる 戀(こひ)」,「神さぶ」乃神聖、古意盎然、莊嚴之意,於茲表進入老境,自娑婆俗世之慾望脫卻之狀。
雖然年事已高,但仍戀於戀情之曲。

2418 【承前,九三第四。】
 何 名負神 幣嚮奉者 吾念妹 夢谷見
 如何(いか)ならむ 名(な)に負神(おふかみ)に 手向(たむけ)せば 我(あ)が思妹(おもふいも)を 夢(いめ)にだに見(み)む
 當與負何名 潔齋祈禱奉幣饗 方能如所願 朝思暮想懸伊人 欲與妹逢在夢田
柿本人麻呂 2418

「名(な)に負神(おふかみ)に」,盛名、以之為名。
「手向(たむけ)せば」,「手向」乃祈神時所奉獻之祭品。多指旅人於路途中祈求道中安穩,於茲則為祈求戀情。原文「幣嚮」與「幣饗」同。
以上四首,將戀情寄於神祇。

2419 【承前,九三第五。】
 天地 言名絕 有 汝吾 相事止
 天地(あめつち)と 云(い)ふ名絕(なのた)えて あらばこそ 汝(いまし)と我(あれ)と 逢事止(あふことや)まめ
 此情至不渝 直至天地名將絕 海枯石爛際 汝命與我常相會 止逢唯在末世時
柿本人麻呂 2419

「天地(あめつち)と 云(い)ふ名絕(なのた)えて」,「名」與「語」通。古人不單以名為記號,意識之為本體此云直至天地毀滅。
將戀情寄於天地之曲。類歌2004。

2420 【承前,九三第六。】
 月見 國同 山隔 愛妹 隔有鴨
 月見(つきみ)れば 國(くに)は同(おな)じそ 山隔(やまへな)り 愛(うつく)し妹(いも)は 隔(へな)りたるかも
 仰首望明月 身居處處似同國 然顧地上者 吾與所戀伊人間 山巒險阻隔異地
柿本人麻呂 2420

「月見(つきみ)れば 國(くに)は同(おな)じそ」,「國」指雨天上相對之地上世界,同一平面之國土。往後大伴家持越中守時,贈越前國掾大伴持主歌4073「月見れば 同國也...」題詞「古人云」者,或指此歌。
於天上看來,無論身在地上何處皆無異,然以地上觀之,則高山遠阻,難以相會。

2421 【承前,九三第七。】
 縿路者 石蹈山 無鴨 吾待公 馬爪盡
 來(く)る道(みち)は 岩踏(いしふ)む山(やま)も 無(な)くも欲得(がも) 我(あ)が待君(まつきみ)が 馬躓(うまつまづ)くに
 妾身有所思 還願來訪路途間 莫有石蹈山 吾所待君未至者 延宕蓋以馬躓故
柿本人麻呂 2421

「來(く)る道(みち)は」,「來(く)る」原文「縿」者,「繰」之古形。此為「來(く)る」之借訓。
「岩踏(いしふ)む」,地勢巖險,寸步難行之狀。

2422 【承前,九三第八。】
 石根踏 重成山 雖不有 不相日數 戀度鴨
 岩根踏(いはねふ)む 重(かさ)なる山(やま)は あらねども 逢(あ)はぬ日數(ひまね)み 戀渡(こひわた)るかも
 吾觀其山勢 雖非岩根累盤踞 必須踏破者 然而逢日苦無多 必然戀渡常相思
柿本人麻呂 2422

「岩根(いはね)」,巨岩。或云「岩根(いはがね)」。
「逢(あ)はぬ日數(ひまね)み」,「數(まね)し」之み句法。
伊勢物語』第七十四段,男恨女之男逢而詠歌「岩根踏み 重なる山に あらねども 逢はぬ日多く 戀渡哉」為其異傳。

2423 【承前,九三第九。】
 路後 深津嶋山 蹔 君目不見 苦有
 道後(みちのしり) 深津島山(ふかつしまやま) 蹔(しまし)くも 君(きみ)が目見(めみ)ねば 苦(くる)しかりけり
 吉備道後國 深津島山之所如 稍暫須臾間 相離不得拜君顏 相思戀苦至如此
柿本人麻呂 2423

「道後(みちのしり)」,律令國制規模大者,或分道前、道後,以示距京遠近。此為吉備之備後國。
「深津島山(ふかつしまやま)」,以上乃以「島(しま)」之音帶出「蹔(しまし)く」之序。

2424 【承前,九三第十。】
 紐鏡 能登香山 誰故 君來座在 紐不開寐
 紐鏡(ひもかがみ) 能登香山(のとかのやま)も 誰(た)が故(ゆゑ)か 君來坐(きみきま)せるに 紐解(ひもと)かず寢(ね)む
 紐鏡莫解兮 能登香山名所如 為誰故也哉 君雖來坐在此地 不解衣紐孤自寢
柿本人麻呂 2424

「紐鏡(ひもかがみ)」,背面附有繩紐之鏡子。以莫解其紐「莫解(なと)か」,帶出類音「能登香山(のとかのやま)」。
「誰(た)が故(ゆゑ)か」,反語。
「紐解(ひもと)かず寢(ね)む」,雖然心上人在身邊,卻不𥶡衣解帶,孤獨自寢。表示受到薄情郎之無情待遇。
受地名能登香山感興之作。

2425 【承前,九三十一。】
 山科 強田山 馬雖在 步吾來 汝念不得
 山科(やましな)の 木幡山(こはたのやま)を 馬(うま)は在(あ)れど 徒步(かち)ゆそ我(あ)が來(こ)し 汝(な)を思兼(おもひか)ねて
 宇治山科之 山城青旗木幡山 雖有馬可乘 吾人徒步緩行來 以念汝情不能
柿本人麻呂 2425

「徒步(かち)ゆそ我(あ)が來(こ)し」,「徒步(かち)」表不用車馬,徒步前去。

2426 【承前,九三十二。】
 遠山 霞被 益遐 妹目不見 吾戀
 遠山(とほやま)に 霞棚引(かすみたなび)き 彌遠(いやとほ)に 妹(いも)が目見(めみ)ねば 我戀(あれこ)ひにけり
 遙遙久方兮 遠山批霞之所如 彌遠彌久長 不見伊人日已久 自然戀慕無以止
柿本人麻呂 2426

「霞棚引(かすみたなび)き」,以上乃以空間之遙,引出時間久遠之序。
「彌遠(いやとほ)」,原文「遐」者,『一切經音譯』云:「遠也。」
以上七首,寄情於山。

2427 【承前,九三十三。】
 是川 荑荑敷浪 布布 妹心 乘在鴨
 宇治川(うぢかは)の 荑荑敷浪(せぜのしきなみ) 頻頻(しくしく)に 妹(いも)は心(こころ)に 乘(の)りにけるかも
 菟道宇治川 荑荑敷浪之所如 頻頻陣陣兮 伊人光儀莫得忘 漸乘吾心踞吾情
柿本人麻呂 2427

宇治川(うぢかは)の」,原文「是川」者,以「是」「氏」同音而相通,意指和文與「氏」同訓之「宇治」。
「敷浪(しきなみ)」,一波一波而至之浪。宇治川注入巨椋池之支流多有。
「頻頻(しくしく)に 妹(いも)は心(こころ)に 乘(の)りにけるかも」,此云心上人猶頻浪般一波坡地佔據作者之心靈。

2428 【承前,九三十四。】
 千早人 宇治度 速荑 不相有 後我孋
 千早人(ちはやひと) 宇治渡(うぢのわた)りの 荑(せ)を速(はや)み 逢(あ)はずこそあれ 後(のち)も我(わ)が妻(つま)
 千早逸靈威 菟道宇治渡濟間 湍荑急且速 今雖水險不得會 其後必逢吾妻矣
柿本人麻呂 2428

「千早人(ちはやひと)」,武威強暴之人,以表示激烈之「うぢはやし」相關而為宇治之枕詞。
「荑(せ)を速(はや)み」,因水流暴急而無以會面。

2429 【承前,九三十五。】
 早敷哉 不相子故 徒 是川荑 裳襴潤
 愛(は)しきやし 逢(あ)はぬ兒故(こゆゑ)に 徒(いたづら)に 宇治川荑(うぢがはのせ)に 裳裾濡(ものすそぬ)らしつ
 憤矣愛憐哉 落花有意水無情 伊人不予逢 吾在宇治川荑間 徒濕裾裳苦相思
柿本人麻呂 2429

「愛(は)しきやし」,令人愛憐。此則用於對不予相逢之對象之憤慨。
「逢(あ)はぬ兒故(こゆゑ)に」,一般和歌中以「兒」指年輕女性,又訪妻制往往為男性造訪女性,故作者該為男性。然末句「裳」者多為女性所著,或為傳詠間之混淆。
類歌2705。

2430 【承前,九三十六。】
 是川 水阿和逆纏 行水 事不反 思始為
 宇治川(うぢかは)の 水沫逆纏(みなあわさかま)き 行水(ゆくみづ)の 事返(ことかへ)らずそ 思始(おもひそ)めてし
 菟道宇治川 水沫逆纏渦卷兮 逝水如斯夫 一但事成不復返 始念追悔已莫及
柿本人麻呂 2430

「行水(ゆくみづ)の」,以上為引出「不復返」、「無法挽回」之序。
「事返(ことかへ)らずそ」,已然深切地無法回頭。

2431 【承前,九三十七。】
 鴨川 後荑靜 後相 妹者我 雖不今
 鴨川(かもがは)の 後荑靜(のちせしづ)けく 後(のち)も逢(あ)はむ 妹(いも)には我(われ)は 今(いま)ならずとも
 賀茂鴨川之 後荑恬靜之所如 其後將逢之 愛也吾妹我倆者 不會當下亦可哉
柿本人麻呂 2431

「後荑靜(のちせしづ)けく 後(のち)も逢(あ)はむ」,後荑指下流水釋較緩之湍荑,無障礙而平穩之未來。與2428「後も我妻」、0394「後も我松」,表示就算現在無法,但未來必定能達成心願。
類歌3018。

2432 【承前,九三十八。】
 言出 云忌忌 山川之 當都心 塞耐在
 言(こと)に出(いで)て 言(い)はば忌忌(ゆゆ)しみ 山川(やまがは)の 激心(たぎつこころ)を 塞耐(せか)へたりけり
 世俗避言舉 揚言出口忌不吉 故如山川之 耐塞激越此情而 深埋胸懷方寸間
柿本人麻呂 2432

「忌忌(ゆゆ)しみ」,形容詞「忌忌(ゆゆ)し」之み句法。忌諱、不吉之事。古俗以為,將密藏心中之愛戀與戀人之名諱說出,將會招致不幸。
「激心(たぎつこころ)」,以水流激越之狀,比喻激昂澎湃之情。
「塞耐(せか)へたりけり」,「塞耐(せか)へ」乃「「塞敢(せきか)へ」」之略。「敢(か)へ」有抵抗之意。

2433 【承前,九三十九。】
 水上 如數書 吾命 妹相 受日鶴鴨
 水上(みづのうへ)に 數書(かずか)く如(ごと)き 我(わ)が命(いのち) 妹(いも)に逢(あ)はむと 誓約(うけひ)つるかも
 其猶畫流水 隨畫隨合不留痕 我命甚虛渺 是身雖短苦無常 仍常誓約逢伊人
柿本人麻呂 2433

「水上(みづのうへ)に 數書(かずか)く如(ごと)き」,「數書く」指記數之時,在木板上刻畫記號之狀。畫記於水上,為虛渺不實在之比喻。『古今和歌集』戀歌有「行水に 數書くよりも 儚きは 思はぬ人を 思ふなりけり」之曲。 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kokin/kk11.htm#522 『涅槃經』有云:「是身無常念念不住。猶如電光暴水幻炎。亦如畫水隨畫隨合。 」
「誓約(うけひ)つるかも」,向神祇乞求願望實現ˇ。

2434 【承前,九三二十。】
 荒礒越 外徃波乃 外心 吾者不思 戀而死鞆
 荒礒越(ありそこ)し 外行浪(ほかゆくなみ)の 外心(ほかごころ) 我(あれ)は思(おも)はじ 戀(こ)ひて死(し)ぬとも
 翻越荒礒而 外徃駭浪之所如 汝心不在此 另有屬意在他方 我縱戀死亦無驗
柿本人麻呂 2434

「荒礒越(ありそこ)し」,「荒礒(ありそ)」乃「荒礒(あらいそ)」之略,荒漫無人而礁岩聳立之水邊。
「外行浪(ほかゆくなみ)」,「外」表脫逸出某範圍之領域。以上乃「外心」之序。
「外心(ほかごころ)」,愛上特定之人以外之邪心。外遇之情。