補給物資、万葉集試訳

■補給物資


万葉集試訳

2438 【承前,九三廿四。】
 人事 蹔吾妹 繩手引 從海益 深念
 人言(ひとごと)は 暫(しま)しぞ我妹(わぎも) 綱手引(つなてひ)く 海(うみ)ゆ筯(ま)さりて 深(ふか)くしそ思(おも)ふ
 流言蜚語者 不過一時片刻爾 親親無妹矣 較於所繫綱手之 滄溟更深此念矣
柿本人麻呂 2438

綱手引(つなてひ)く 海(うみ)ゆ」,「綱手」乃曳航船隻之繩索。「綱手引く海」指深海。小船無以自力航行深海,需藉大船曳航。「ゆ」為比較之基點。
嘆訴自我情深,遠過深海之曲。

2439 【承前,九三廿五。】
 淡海 奧嶋山 奧儲 吾念妹 事繁
 近江(あふみ)の 沖島山(おきつしまやま) 奧(おく)まけて 我(あ)が思妹(おもふいも)が 言繁(ことのしげ)けく
 近江淡海之 瀛津島山之所如 雖然戀伊人 吾納此思深奧處 奈何流言蜚語繁
柿本人麻呂 2439

沖島(おきつしま)」,以上乃藉同音而為「奧(おく)」之序。沖つ島山乃今近江八幡市奥島山。 http://blowinthewind.net/manyo/manyo-okitsushimayama.htm
「奧設(おくま)けて」,深藏心中。類歌2728作「奧(お)まへて」。
「我(あ)が思妹(おもふいも)が 言繁(ことのしげ)けく」,世間傳言不斷。

2440 【承前,九三廿六。】
 近江海 奧滂船 重下 藏公之 事待吾序
 近江海(あふみのうみ) 沖漕舟(おきこぐふね)の 碇下(いかりおろ)し 忍(しの)びて君(きみ)が 言待(ことま)つ我(われ)ぞ
 近江淡海之 瀛津遠處泊滂船 下碇之所如 妾身隱忍避人目 久俟靜待君言矣
柿本人麻呂 2440

「碇下(いかりおろ)し」,將船停在遠洋人目所不及之處。比喻自身隱藏戀情之狀。
「忍(しの)びて君(きみ)が」,「忍(しの)び」原文「藏」,『萬象名義』云:「深匿也。」
以上七首,寄戀於海。

2441 【承前,九三廿七。】
 隱沼 從裏戀者 無乏 妹名告 忌物矣
 隱沼(こもりぬ)の 下(した)ゆ戀(こ)ふれば 術(すべ)を無(な)み 妹(いも)が名告(なの)りつ 忌(ゆゆ)しき物(もの)を
 隱沼下通兮 隱匿戀情竊思者 情溢誠難止 不覺口漏伊人名 雖知禁忌難自已
柿本人麻呂 2441

「隱沼(こもりぬ)の」,「下(した)ゆ戀(こ)ふ」之枕詞。無出入口,看上去並無流動,實際上卻在水面下有所進出之沼澤。用以比喻不顯露於外之戀情。
「下(した)ゆ」,內心深處。
「忌(ゆゆ)しき物(もの)を」,古人避忌講述自身或戀人之名諱。
類歌2719。

2442 【承前,九三廿八。】
 大土 採雖盡 世中 盡不得物 戀在
 大地(おほつち)は 取盡(とりつく)すとも 世中(よのなか)の 盡(つく)し得(え)ぬ物(もの)は 戀(こひ)にしありけり
 六合大地間 萬物採盡雖有竭 然而此世間 悠悠無盡不絕者 其是所謂戀也矣
柿本人麻呂 2442

「大地(おほつち)は 取盡(とりつく)すとも」,即便大地之土有取盡之時。假定不可能之事,藉以襯托有更為困難之物。
「世中(よのなか)の」,'世上最重要的。

2443 【承前,九三廿九。】
 隱處 澤泉在 石根 通念 吾戀者
 隱處(こもりど)の 澤泉(さはいづみ)なる 岩根(いはね)をも 通(とほ)してそ思(おも)ふ 我(あ)が戀(こ)ふらくは
 縱令隱國之 秘境溪壑湧泉間 岩磐可穿矣 如是堅毅所念者 是即吾之所戀矣
柿本人麻呂 2443

「隱處(こもりど)」,人目不及之處。類歌2794有「隱(こも)りづ」之語。
「澤泉(さはいづみ)」,谷間湧泉。澤乃溪谷之意。『日本靈異記』上十二話訓注「溪,さは爾。」
「岩根(いはね)をも 通(とほ)してそ思(おも)ふ」,強烈而可貫通岩磐。

2444 【承前,九三三十。】
 白檀 石邊山 常石有 命哉 戀乍居
 白真弓(しらまゆみ) 石邊山(いしへのやま)の 常磐(ときは)なる 命(いのち)なれやも 戀(こ)ひつつ居(を)らむ
 白檀真弓兮 石邊山間常磐在 蓋是當此命 有如常磐無盡而 如是無為徒戀慕
柿本人麻呂 2444

「白真弓(しらまゆみ)」,白木所製之弓。藉射箭(射る=いる)而為地名「石邊(いしへ)」之枕詞。
常磐(ときは)なる」,如岩磐般恆久不變。
「命(いのち)なれやも 戀(こ)ひつつ居(を)らむ」,以為有永恆之壽命,而持續單戀不去相會。自責並警綃生命有限之語。

2445 【承前,九三卅一。】
 淡海海 沈白玉 不知 從戀者 今益
 近江海(あふみのうみ) 沈(しづ)く白玉(しらたま) 知(し)らずして 戀為(こひせ)しよりは 今(いま)こそ筯(ま)され
 近江淡海間 所沉白玉無人曉 相較不識時 今雖相識情更切 相思之情徒筯爾
柿本人麻呂 2445

「沈(しづ)く白玉(しらたま)」,以沉入水底之白珠比喻深窗令孃。
「知(し)らずして」,不知對方之出自背景。
比起還不知對方姓氏,單獨暗戀之時,雙方相識之後卻不得相見,則更為難受。

2446 【承前,九三卅二。】
 白玉 纏持 從今 吾玉為 知時谷
 白玉(しらたま)を 卷(ま)きて持(も)てたる 今(いま)よりは 我(わ)が玉(たま)に為(せ)む 知(し)れる時(とき)だに
 晶瑩白玉矣 纏持手上不離身 自今而後者 以為吾玉常相伴 至少此時為我物
柿本人麻呂 2446

「知(し)れる時(とき)だに」,「知(し)れる」於茲為所有之意。雖然不知將來如何,至少現在為我所有。

2447 【承前,九三卅三。】
 白玉 從手纏 不忘 念 何畢
 白玉(しらたま)を 手(て)に卷(ま)きしより 忘(わす)れじと 思(おも)ひし事(こと)は 何(なに)か終(をは)らむ
 晶瑩白玉矣 自於纏持手上起 誓言永不忘 此情此意當恆久 何有一旦竟渝哉
柿本人麻呂 2447

「何(なに)か終(をは)らむ」,「何か」為反語語句。原文「何畢」,舊訓「いつか止むべき」。此依『伊勢物語』第十段「頼むの雁を、何時か忘れむ」訓之。

2448 【承前,九三卅四。】
 白玉 間開乍 貫緒 縛依 後相物
 白玉(しらたま)の 間開(あひだあ)けつつ 貫(ぬ)ける緒(を)も 括寄(くくりよ)すれば 後(のち)も合物(あふもの)そ
 晶瑩白玉矣 雖然貫之結時 縱設間以隔 然而一旦縛依者 其後必當相合矣
柿本人麻呂 2448

「白玉(しらたま)」,原文烏玉,則當訓ぬばたま,此依『萬葉考』以為白玉之訛。
「間開(あひだあ)けつつ」,在貫緒之時,稍留間隔不令其過於緊密。

2449 【承前,九三卅五。】
 香山爾 雲位桁曳 於保保思久 相見子等乎 後戀牟鴨
 香具山(かぐやま)に 雲居棚引(くもゐたなび)き 欝(おほほ)しく 相見(あひみ)し兒等(こら)を 後戀(のちこ)ひむかも
 天香具山間 雲居霏霺之所如 迷濛飄渺而 雖與佳人相會晤 其後仍當苦戀煩
柿本人麻呂 2449

「雲居棚引(くもゐたなび)き」,雲居指雲掛於其上,或指雲本身。此歌為後者。以上乃引出「欝(おほほ)しく」之序。
「欝(おほほ)しく」,對象物遭遮蔽而無法清晰可見。
類歌1909。 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m10.htm#1909

2450 【承前,九三卅六。】
 雲間從 狹化月乃 於保保思久 相見子等乎 見因鴨
 雲間(くもま)より 狹渡(さわた)る月(つき)の 欝(おほほ)しく 相見(あひみ)し兒等(こら)を 見(み)む由欲得(よしもがも)
 其猶自雲間 游移渡御明月也 迷濛飄渺而 驚鴻一瞥伊人矣 欲得逢由冀相見
柿本人麻呂 2450

「狹渡(さわた)る月(つき)の」,「狹(さ)」乃接頭語。「い渡る」只得用於人,而「さ渡る」則可用於月、雲、鳥、蟇等物。以上乃「欝(おほほ)しく」之序。

2451 【承前,九三卅七。】
 天雲 依相遠 雖不相 異手枕 吾纏哉
 天雲(あまくも)の 寄合遠(よりあひとほ)み 逢(あ)はずとも 異(あた)し手枕(たまくら) 我捲(われま)かめやも
 唯有久方兮 遙遙天雲相寄處 方得兩相逢 吾人孤寢雖戀苦 豈渝情枕異手哉
柿本人麻呂 2451

「天雲(あまくも)の 寄合遠(よりあひとほ)み」,猶如天雲相依之天邊,意指戀人所在遙遠。
「異(あた)し手枕(たまくら)」,以他人之手為枕。此云移情別戀或不貞之狀。

2452 【承前,九三卅八。】
 雲谷 灼發 意追 見乍居 及直相
 雲(くも)だにも 著(しる)くし立(た)たば 心遣(こころや)り 見(み)つつも居(を)らむ 直(ただ)に逢迄(あふまで)に
 雖然兩相隔 不若見雲湧灼發 奉為慰鬱情 長居望遠觀雲霞 直至有朝相逢時
柿本人麻呂 2452

「雲(くも)だにも」,就算所待之心上人不來,至少看著天上之雲,以慰藉鬱情。原文「意追」指驅逐負面情感。

2453 【承前,九三卅九。】
 春楊 葛山 發雲 立座 妹念
 春柳(はるやなぎ) 葛城山(かづらきやま)に 立雲(たつくも)の 立(た)ちても居(ゐ)ても 妹(いも)をしそ思(おも)ふ
 春柳垂絲兮 大河葛城山頂上 雲湧之所如 吾人坐立不得安 心頭總念懸伊人
柿本人麻呂 2453

「春柳(はるやなぎ)」,地名「葛城(かづらき)」之枕詞。以音近而為之。
「立雲(たつくも)の」,用以引出下文「立(た)ち」之序。

2454 【承前,九三四十。】
 春日山 雲座隱 雖遠 家不念 公念
 春日山(かすがやま) 雲居隱(くもゐかく)りて 遠(とほ)けども 家(いへ)は思(おも)はず 君(きみ)をしそ思(おも)ふ
 春日山頂上 雲湧遮蔽之所如 雖然相隔遠 吾今所念非家族 懸心總是掛伊人
柿本人麻呂 2454

「雲居(くもゐ)り」,「雲居(くもゐ)る」之連用終止形。
「君(きみ)をしそ思(おも)ふ」,慣例而言,對象使用君者表示作者為女性。然民謠時有犯律之處。

2455 【承前,九三卌一。】
 我故 所云妹 高山之 岑朝霧 過兼鴨
 我(わ)が故(ゆゑ)に 言(い)はれし妹(いも)は 高山(たかやま)の 峰朝霧(みねのあさぎり) 過(す)ぎにけむ哉(かも)
 一度因吾故 受人流言蜚語繁 親親吾妹矣 蓋猶高峰朝霧之 消逝無蹤情渝哉
柿本人麻呂 2455

「峰朝霧(みねのあさぎり)」,以上,引出「過(す)ぎ」之序文。
「過(す)ぎにけむ哉(かも)」,過去、消逝。指情人已然變心。

2456 【承前,九三卌二。】
 烏玉 鄢髮山 山草 小雨零敷 益益所思
 烏玉(ぬばたま)の 鄢髮山(くろかみやま)の 山菅(やますげ)に 小雨降頻(こさめふりし)き 頻頻(しくし)く思(おも)ほゆ
 漆鄢烏玉兮 鄢髮山中山菅上 小雨零紛紛 猶彼霪雨降頻繁 吾思益益未嘗止
柿本人麻呂 2456

「山菅(やますげ)」,百合科多年草藪蘭。或云生於山間之菅草。
「小雨降頻(こさめふりし)き」,「頻頻(しくし)く思(おも)ほゆ」之序。藉雨下不斷比喻思念頻頻。

2457 【承前,九三卌三。】
 大野 小雨被敷 木本 時依來 我念人
 大野藪(おほのら)に 小雨降頻(こさめふりし)く 木下(このもと)に 時時寄來(よりよりよりこ) 我(あ)が思人(おもふひと)
 大野原藪間 小雨頻零降紛紛 木下樹蔭處 還望時時可依來 朝思暮想吾念人
柿本人麻呂 2457

「大野藪(おほのら)に」,大原野。而『名義抄』云「藪,のら。」故當唯有雜木點落之原野。
「時時寄來(よりよりよりこ)」,「時時(よりより)」乃時常之意,刻意與寄字連續。「來(こ)」為命令語氣。

2458 【承前,九三卌四。】
 朝霜 消消 念乍 何此夜 明鴨
 朝霜(あさしも)の 消(け)なば消(け)ぬべく 思(おも)ひつつ 如何(いか)に此夜(このよ)を 明(あ)かしてむかも
 朝霜之所如 其當消逝直需逝 每每念及此 無涯漫漫長夜間 如何輾轉待天明
柿本人麻呂 2458

「朝霜(あさしも)」,「消(け)」之枕詞。
「消(け)なば消(け)ぬべく」,如果會消失的話就乾脆消失算了。

2459 【承前,九三卌五。】
 吾背兒我 濱行風 彌急 急事 益不相有
 我(わ)が背子(せこ)が 濱行(はまゆ)く風(かぜ)の 彌早(いやはや)に 言(こと)を速(はや)みか 彌逢(いやあ)はざらむ
 親親吾夫子 蓋是汝傍濱行風 彌急之所如 流言蜚語傳且速 彌相離兮不得逢
柿本人麻呂 2459

「我(わ)が背子(せこ)が 濱行(はまゆ)く風(かぜ)の」,「我が背子が濱」概指男方住居近旁之濱。「行く」或指吹拂,但無類例。『萬葉集古義』以為「行」乃「吹」字之訛。以上乃「彌早(いやはや)に」之序。
「言(こと)を速(はや)みか」,流言中傷激烈。

2460 【承前,九三卌六。】
 遠妹 振仰見 偲 是月面 雲勿棚引
 遠妹(とほきいも)が 振放見(ふりさけみ)つつ 偲(しの)ふらむ 此月面(このつきのおも)に 雲勿棚引(くもなたなび)き
 相隔遠異地 吾妹翹首仰望而 騁思相念哉 是以此天原明月 還冀浮雲莫蔽之
柿本人麻呂 2460

「振放見(ふりさけみ)つつ」,原文「振仰見」。2068有「天原 降放見れば」之語。
類歌2669,改第一句為「我が背子が」,為女性視角。

2461 【承前,九三卌七。】
 山葉 追出月 端端 妹見鶴 及戀
 山端(やまのは)を 追出(おひいづ)る月(つき)の 端端(はつはつ)に 妹(いも)をそ見(み)つる 戀(こ)ほしき迄(まで)に
 其猶西山端 傾注追出月所如 端端稍瞥見 萍水相逢拜一面 竟戀伊人至幾許
柿本人麻呂 2461

「山端(やまのは)を 追出(おひいづ)る月(つき)の」,「山端」乃山之稜線。此云月落之西山。「追ひ」為凝視、追焦。
「端端(はつはつ)に」,瞥見,不完全之狀態。表示期望能見得全貌之心情。

2462 【承前,九三卌八。】
 我妹 吾矣念者 真鏡 照出月 影所見來
 我妹子(わぎもこ)や 我(われ)を思(おも)はば 真十鏡(まそかがみ) 照出(てりいづ)る月(つき)の 影(かげ)に見(み)え來(こ)ね
 吾妻妹子矣 汝若相思念我者 無曇真十鏡 照出明月可見之 以為面影緩憂思
柿本人麻呂 2462

「我妹子(わぎもこ)や」,原文「我妹」,此添呼喊親暱對象之「や」。
「真十鏡(まそかがみ)」,「照出(てりいづ)る」之枕詞。
「影(かげ)に見(み)え來(こ)ね」,「影(かげ)」指稱明月自身,「ね」為表希求之終助詞。

2463 【承前,九三卌九。】
 久方 天光月 隱去 何名副 妹偲
 久方(ひさかた)の 天照(あまて)る月(つき)の 隱(かく)りなば 何(な)に擬(なそ)へて 妹(いも)を偲(しの)はむ
 遙遙久方兮 玄天照覽明月者 所為浮雲蔽 吾當擬何為面影 以思伊人光儀哉
柿本人麻呂 2463

「天照(あまて)る月(つき)の」,『拾遺和歌集』有「天照る月も 隠れ行く」云云。或此亦可讀做「天照る月も」。
「擬(なそ)へて」,藉由眼前之事務擬為不在之人以發思念。

2464 【承前,九三五十。】
 若月 清不見 雲隱 見欲 宇多手比日
 三日月(みかづき)の 清(さや)にも見(み)えず 雲隱(くもがく)り 見(み)まくそ欲(ほ)しき 別樣此頃(うたてこのころ)
 稚齡三日月 光儀莫以見清晰 其猶雲隱之 朝思暮想欲相見 胸懷別樣此頃時
柿本人麻呂 2464

「雲隱(くもがく)り」,以上以遭浮雲遮蔽之三日月比喻無法端見其姿容之女性。
「別樣(うたて)」,失去平常心之意。

2465 【承前,九三五一。】
 我背兒爾 吾戀居者 吾屋戶之 草佐倍思 浦乾來
 我(わ)が背子(せこ)に 我(あ)が戀居(こひを)れば 我(わ)が宿(やど)の 草(くさ)さへ思(おも)ひ 衷振(うらぶ)れにけり
 蓋因我鍾情 戀慕伊人吾夫子 不得報之故 吾宿庭草感此心 惻隱悲懷垂萎矣
柿本人麻呂 2465

「衷振(うらぶ)れにけり」,意氣消沉之狀。時以植物萎靡之狀,擬人以為同情作者遭遇。

2466 【承前,九三五二。】
 朝茅原 小野印 空事 何在云 公待
 淺茅原(あさぢはら) 小野(をの)に標結(しめゆ)ひ 空言(むなこと)を 何(いか)なりと言(い)ひて 君(きみ)をし待(ま)たむ
 標結淺茅原 叢生小野之所如 虛渺無益矣 吾當如何誑空言 枯待薄情君臨哉
柿本人麻呂 2466

「淺茅原(あさぢはら) 小野(をの)に標結(しめゆ)ひ」,「空言(むなこと)」之序。「標結」乃佔為所有,而淺茅原之利用價值不高,故以之做為徒然之比喻。
「空言(むなこと)」,無意義之言語。
「何(いか)なりと言(い)ひて 君(きみ)をし待(ま)たむ」,作者痴痴等待戀人來訪,而戀人薄情不至,對於感到詫異而來詢問之人,當如何自圓其說。

2467 【承前,九三五三。】
 路邊 草深白合之 後云 妹命 我知
 道邊(みちのへ)の 草深百合(くさふかゆり)の 後(ゆり)もと言(い)ふ 妹(いも)が命(いのち)を 我知(あれし)らめやも
 道邊所叢生 草深百合之所如 雖云後日者 人生苦短是無常 吾妹壽者豈知哉
柿本人麻呂 2467

「草深百合(くさふかゆり)の」,以上乃藉同音而為「後(ゆり)」之序。「百合(ゆり)」原文,底本作「百合」而嘉曆傳承本等非仙覺系底本作「白和」,『新撰字鏡』亦如,蓋為古體。

2468 【承前,九三五四。】
 湖葦 交在草 知草 人皆知 吾裏念
 湊葦(みなとあし)に 交(ま)じれる草(くさ)の 知草(しりくさ)の 人皆知(ひとみなし)りぬ 我(あ)が下思(したおも)ひは
 水戶湊葦間 所以雜生交在草 知草之所如 吾人深埋藏內心 此情人盡已皆知
柿本人麻呂 2468

「湊葦(みなとあし)」,生長於河口附近之蘆葦。「湊」為水之出入口。
「知草(しりくさ)」,莎草科三角藺。以上為以「知草(しりくさ)」與「知(し)りくさ」同音,而為「人皆知(ひとみなし)りぬ」之序。

2469 【承前,九三五五。】
 山萵苣 白露重 浦經 心深 吾戀不止
 山萵苣(やまぢさ)の 白露重(しらつゆおも)み 衷振(うらぶ)れて 心(こころ)に深(ふか)く 我(あ)が戀止(こひや)まず
 其猶山萵苣 白露置之積重而 萎靡之所如 意志消沉鬱不樂 吾心深戀不得止
柿本人麻呂 2469

「山萵苣(やまぢさ)」,生於山中之萵苣。
「白露重(しらつゆおも)み」,因白露之重量而下垂。以上乃比喻「衷振(うらぶ)れ」之序。

2470 【承前,九三五六。】
 湖 核延子菅 不竊隱 公戀乍 有不勝
 湊(みなと)に 小根延小菅(さねばふこすげ) 竊隱(ぬすま)はず 君(きみ)に戀(こ)ひつつ 在克(ありか)つましじ
 湖湊河口間 蔓根小菅之所如 此情難竊隱 吾人戀君情甚切 不克久藏埋心中
柿本人麻呂 2470
「後(ゆり)もと言(い)ふ」,女方委婉拒絕之言語。「後(ゆり)」乃後日,之後再說。

「小根延小菅(さねばふこすげ)」,「小(さ)」為接頭語。「根延(ねば)ふ」指根蔓延之狀。
「竊隱(ぬすま)はず」,「竊隱ふ」為不為人知隱密行動之狀。
「在克(ありか)つましじ」,仙覺系諸本、類聚古集作「有不勝鴨」,此依嘉曆傳承本作「有不勝」。

2471 【承前,九三五七。】
 山代 泉小菅 凡浪 妹心 吾不念
 山背(やましろ)の 泉小菅(いづみのこすげ) 凡浪(なみなみ)に 妹(いも)が心(こころ)を 我(わ)が思(おも)は無(な)くに
 苗木繼根生 山城泉川流域間 菅浪之所如 吾戀我妹情深切 豈如凡俗並尋常
柿本人麻呂 2471

「山背(やましろ)の 泉小菅(いづみのこすげ)」,以上乃用以帶出「凡浪(なみなみ)」之序。小菅隨風偃如浪,又以浪、並同音承接後文。
「凡浪(なみなみ)」,普遍、一般、尋常。與「菅浪」雙關。

2472 【承前,九三五八。】
 見渡 三室山 石穗菅 惻隱吾 片念為【一云,三諸山之,石小菅。】
 見渡(みわた)しの 三室山(みむろのやま)の 巖菅(いはほすげ) 懇我(ねもころあれ)は 片思(かたもひ)そする【一云(またにいふ)、三諸山(みもろのやま)の、岩小菅(いはこすげ)。】
 放眼望見者 神奈備兮三室山 巖菅根所如 吾人懇意投真情 無奈只為單相思【一云,神奈備兮三諸山,岩上小菅根所如。】
柿本人麻呂 2472

「見渡(みわた)しの」,由現在位置眺望對面之處。
「巖菅(いはほすげ)」,生於巨石上之菅。一書作「岩小菅(いはこすげ)」。皆為連續「懇(ねもこ)ろ」之序。
「懇(ねもこ)ろ」,一心一意,真情流露。

2473 【承前,九三五九。】
 菅根 惻隱君 結為 我紐緒 解人不有
 菅根(すがのね)の 懇君(ねもころきみ)が 結(むす)びてし 我(あ)が紐緒(ひものを)を 解人(とくひと)も無(な)し
 菅根之所如 真情懇意吾君之 所以躬手結 吾人紐緒自貞潔 豈有他人能解哉
柿本人麻呂 2473

「菅根(すがのね)の」,「懇(ねもこ)ろ」之枕詞。
「我(あ)が紐緒(ひものを)を 解人(とくひと)も無(な)し」,發誓堅守貞操之語。

2474 【承前,九三六十。】
 山菅 亂戀耳 令為乍 不相妹鴨 年經乍
 山菅(やますげ)の 亂戀(みだれこひ)のみ 為(せ)しめつつ 逢(あ)はぬ妹(いも)かも 年(とし)は經(へ)につつ
 山菅漫草兮 千頭萬緒情意亂 狂戀猶如此 伊人無意與相逢 不覺經年齒徒長
柿本人麻呂 2474

「山菅(やますげ)の」,「亂(みだ)る」之枕詞。以菅根漫生雜亂之狀喻之。

2475 【承前,九三六一。】
 我屋戶 甍子太草 雖生 戀忘草 見未生
 我(わ)が宿(やど)は 甍羊齒草(いらかしだくさ) 生(お)ひたれど 戀忘草(こひわすれぐさ) 見(み)るに未生(いまだお)ひず
 吾戶屋簷上 甍間羊齒草雖生 然云能解憂 忘情效驗戀忘草 見之幾度仍未生
柿本人麻呂 2475

「甍羊齒草(いらかしだくさ)」,「甍」為屋頂棟樑,茅、板、瓦葺皆可用之。
「戀忘草(こひわすれぐさ) 見(み)るに未生(いまだお)ひず」,此云無論過了多久皆無法自相思之苦中超脫。

2476 【承前,九三六二。】
 打田 稗數多 雖有 擇為我 夜一人宿
 打田(うつた)に 稗(ひえ)はし數多(あまた) 有(あり)と云(い)へど 選(えら)えし我(あれ)そ 夜獨寢(よるひとりぬ)る
 雖云耕田間 田稗雜生生無數 何以巧如此 萬中擇一除我去 只得孤寢度長夜
柿本人麻呂 2476

「打田(うつた)」,「打(うつ)」乃耕作之意。
「稗(ひえ)」,稻科一年草,有旱田之稗畑與水田之田稗兩種。雖可食用,但與稻穀同生則為農害。將遭拔除。
「選(えら)えし」,遭到選別、拔除。
在歌垣中不受女性青睞之人所歌。類歌2999。