真字萬葉集 卷十一 古今相聞往來歌類之上

■真字萬葉集 卷十一 古今相聞往來歌類之上
https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m11.htm

 

万葉集試訳

古今相聞往來歌類之下


2841 正述心緒 【十首第一。】
 我背子之 朝明形 吉不見 今日間 戀暮鴨
 我(わ)が背子(せこ)が 朝明姿(あさけのすがた) 良見(よくみ)ずて 今日間(けふのあひだ)を 戀暮(こひく)らすかも
 以憚人目故 不得良見拂曉時 伊人歸姿故 是以今日一日間 哀愁戀慕苦相思
柿本人麻呂 2841

 「朝明姿(あさけのすがた)」,拂曉之際歸去之身影。

「良見(よくみ)ずて」,憚忌人目,不敢送行。而無法好好觀看戀人離去之身影。

 

2842 【承前,十首第二。】
 我心 等望使念 新夜 一夜不落 夢見與
 我(あ)が心(こころ) 羨(とも)しみ思(おも)ふ 新夜(あらたよ)の 一夜(ひとよ)も落(お)ちず 夢(いめ)に見(み)えこそ
 吾發心深處 欲拜君眉慕我君 自於今日起 夜夜無闕念伊人 宵宵與逢在夢田
柿本人麻呂 2842

 

「新夜(あらたよ)の」,今夜。每日更新到來之夜。

「一夜(ひとよ)も落(お)ちず」,夜夜無缺,皆盡如此。

「夢(いめ)に見(み)えこそ」,こそ乃希求終助詞。

 

2843 【承前,十首第三。】
 愛 我念妹 人皆 如去見耶 手不纏為
 愛(うるは)しと 我(あ)が思(おも)ふ妹(いも)を 人皆(ひとみな)の 行(ゆ)く如見(ごとみ)めや 手(て)に卷(ま)かずして
 甚也愛憐哉 既是朝思復暮想 常念伊人者 豈見唯如行道人 還願纏手不相離
柿本人麻呂 2843

 

 

 

「人皆(ひとみな)の 行(ゆ)く如見(ごとみ)めや」,豈能如觀看路人般不感興趣。

「手(て)に卷(ま)かずして」,如珠寶般配戴在身上,片刻不離。

 

 

2844 【承前,十首第四。】
 比日 寐之不寐 敷細布 手枕纏 寐欲
 此頃(このころ)の 寐寢(いのね)ら得(え)ぬは 敷栲(しきたへ)の 手枕纏(たまくらま)きて 寢(ね)まく欲(ほ)りこそ
 近日此頃之 輾轉不得寐寢者 是何由矣哉 欲取白妙敷栲兮 伊人手枕共眠矣
柿本人麻呂 2844

 

 


「敷栲(しきたへ)の」,「手枕」之枕詞。

「寢(ね)まく欲(ほ)りこそ」,「欲(ほ)りこそ」表原因。因為希望能與戀人纏綿,已故傷神失眠。


2845 【承前,十首第五。】
 忘哉 語 意遣 雖過不過 猶戀
 忘(わす)るやと 物語(ものがたり)して 心遣(こころや)り 過(す)ぐせど過(す)ぎず 猶戀(なほこ)ひにけり
 雖然揚言云 欲將忘哉卸此情 以慰此抑鬱 然而相思情難忘 煎熬猶益戀更增
柿本人麻呂 2845

 

 

 

「忘(わす)るやと」,想忘卻愛戀之苦惱。

「物語(ものがたり)して」,如是訴說。

「心遣(こころや)り 過(す)ぐせど過(す)ぎず」,努力分散注意,以忘卻戀情,卻無法成功。


2846 【承前,十首第六。】
 夜不寐 安不有 白細布 衣不脫 及直相
 夜(よる)も寢(ね)ず 安(やす)くも非(あら)ず 白栲(しろたへ)の 衣(ころも)も脫(ぬ)かじ 直(ただ)に逢迄(あふまで)に
 徹夜不得眠 胸懷忐忑莫安寧 白妙敷栲兮 常著此衣不褪去 直至一旦復相逢
柿本人麻呂 2846

 「衣(ころも)も脫(ぬ)かじ」,不脫下與戀人相逢時之衣服。或本訓「衣(ころも)は脫(ぬ)かじ」,此依仙覺舊訓。

 

2847 【承前,十首第七。】
 後相 吾莫戀 妹雖云 戀間 年經乍
 後(のち)も逢(あ)はむ 我(われ)に莫戀(なこひ)そと 妹(いも)は言(い)へど 戀(こ)ふる間(あひだ)に 年(とし)は經(へ)につつ
 其後必相逢 莫戀妾身不守舍 伊人述如此 然而相別思慕間 不覺月異已歷年
柿本人麻呂 2847

 

「後(のち)も逢(あ)はむ 我(われ)に莫戀(なこひ)そと」,因為其後必會相逢,不需因戀慕自身而過於傷神。

 

 

2848 【承前,十首第八。】
 不直相 有諾 夢谷 何人 事繁【或本歌曰,寤者,諾毛不相,夢左倍。】
 直(ただ)に逢(あ)はず あるは諾(うべなり) 夢(いめ)にだに 何(なに)しか人(ひと)の 言繁(ことのしげ)けむ【或本歌曰(あるぶみのうたにいふ)、現(うつつ)には、宜(うべ)も逢(あ)は無(な)く、夢(いめ)にさへ。】
 不得直逢者 其亦理應實然矣 縱然在夢中 何以閒人蜚語繁 流言不斷噂更傳【或本歌曰,在於現寤時,不得直逢理應然,縱令在夢中。】
柿本人麻呂 2848

 

 

 

「諾(うべなり)」,理應如此。點頭容認他人之言行。在意世間之評論而不來相會,亦是情有可原。

「夢(いめ)にだに」,「だに」為至少之意,蘊含作者之期待。

「現(うつつ)には」,現實,夜夢之相反。諸寫本作「寐」,此依『萬葉拾穗抄』改之。

「夢(いめ)にさへ」,非但現實,連夢中亦此。

 

 

2849 【承前,十首第九。】
 烏玉 彼夢 見繼哉 袖乾日無 吾戀矣
 烏玉(ぬばたま)の 彼夢(そのいめ)にだに 見繼(みつ)げりや 袖乾(そでふ)る日無(ひな)く 我(あ)が戀(こ)ふらくを
 漆黑烏玉兮 雖然每在夜夢間 得以常相會 然而我袖無乾時 日日啜泣吾戀矣
柿本人麻呂 2849

 

 

 

「彼夢(そのいめ)にだに 見繼(みつ)げりや」,その指對方的。「彼夢 見繼哉」舊訓「其夜夢(そのよのいめ)に 見繼(みつ)ぎぎや」,未有定說。

「袖乾(そでふ)る日無(ひな)く」,遭淚沾濕之衣袖沒有乾涸之日。

 

 

2850 【承前,十首第十。】
 現 直不相 夢谷 相見與 我戀國
 現(うつつ)には 直(ただ)にも逢(あ)はず 夢(いめ)にだに 逢(あ)ふと見(み)えこそ 我(あ)が戀(こ)ふらくに
 白晝現世間 不得直逢隔異地 至少夜夢間 望能相會在枕中 以吾慕情難抑矣

柿本人麻呂 2850

 

 

 

「直(ただ)にも逢(あ)はず」,原文「直不相」,亦可訓作「直(ただ)に逢(あ)はさず」。

「逢(あ)ふと見(み)えこそ」,「と」為表引用之句法,此為「希望如此」之情感表現。

 

2851 寄物陳思 【十三第一。】
 人所見 表結 人不見 裏紐開 戀日太
 人見(ひとのみ)る 上(うへ)は結(むす)びて 人見(ひとのみ)ぬ 下紐開(したひもあ)けて 戀(こ)ふる日(ひ)そ多(おほ)き
 他人之所見 外衣上紐雖緊結 然人所不視 內衣下紐夙已解 如是戀慕時日多

柿本人麻呂 2851

 

 

 

 「上(うへ)は結(むす)びて」,「上(うへ)」指表面。

「下紐開(したひもあ)け」, 古俗以為,內衣之下紐自解,為將與戀人相逢之兆。故有自解下紐,以期再會之方術。

  

 

2852 【承前,十三第二。】
 人言 繁時 吾妹 衣有 裏服矣
 人言(ひとごと)の 繁(しげ)き時(とき)には 我妹子(わぎもこ)し 衣(ころも)にありせば 下(した)に著(き)ましを
 流言蜚語傳 人之閒言喧囂時 親親吾妹子 汝若幻化為衣者 吾必肌身裏服矣
柿本人麻呂 2852

 

「衣(ころも)にありせば」,「衣(ころも)」為內衣。反事實假定語氣。

「下(した)に著(き)ましを」,希望不讓他人察覺,而常相依偎廝守,寸步不離。