補給物資、万葉集試訳

■補給物資

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万葉集試訳

3773 【承前,六三五一。娘子作歌。】
 君我牟多 由可麻之毛能乎 於奈自許等 於久禮弖乎禮杼 與伎許等毛奈之
 君(きみ)が共(むた) 行(ゆ)か益物(ましもの)を 同(おな)じ事(こと) 後(おく)れて居(を)れど 良事(よきこと)も無(な)し
 早知如此者 不若與君共流去 其苦寔相同 雖然留居在京畿 未有一事可稱善
狹野弟上娘子 3773

「君(きみ)が共(むた)」,「が共(むた)」指與共。
「同(おな)じ事(こと)」,此云留居京城,痛苦與宅守配流越前無異。不如一同配流而去。

3774 【承前,六三五二。娘子作歌。】
 和我世故我 可反里吉麻佐武 等伎能多米 伊能知能己佐牟 和須禮多麻布奈
 我(わ)が背子(せこ)が 歸來坐(かへりきま)さむ 時為(ときのため) 命殘(いのちのこ)さむ 忘給(わすれたま)ふ莫(な)
 苦痛不欲生 所以苟留一命者 奉為吾夫君 有朝一日歸來矣 願君知悉莫忘也
狹野弟上娘子 3774

 右八首,娘子。

「命殘(いのちのこ)さむ」,難堪相思之情,痛苦愈死。然仍不放棄希望,苟活殘喘。(是為了有朝一日夫君歸來相逢。)
「忘給(わすれたま)ふ莫(な)」,別忘了抱持如此心情的我。

3775 【承前,六三五三。宅守更贈。】
 安良多麻能 等之能乎奈我久 安波射禮杼 家之伎己許呂乎 安我毛波奈久爾
 新(あらたま)の 年緒長(としのをなが)く 逢(あ)はざれど 異(け)しき心(こころ)を 我(あ)が思(も)は無(な)くに
 日新月異兮 雖然相離年緒長 日久不得逢 然而所謂異心者 吾身未嘗有之矣
中臣宅守 3775

「年緒長(としのをなが)く」,年緒指如絲線般長久累積之年月。
「異(け)しき心(こころ)を 我(あ)が思(も)は無(な)くに」,不曾有過異心,依舊鍾情於妻子。

3776 【承前,六三五四。宅守更贈。】
 家布毛可母 美也故奈里世婆 見麻久保里 爾之能御馬屋乃 刀爾多弖良麻之
 今日(けふ)もかも 都(みやこ)なりせば 見(み)まく欲(ほ)り 西御馬屋(にしのみまや)の 外(と)に立(た)てらまし
 假令吾今日 有幸得在京畿者 蓋難忍慕情 躬赴內廄右馬寮 佇俟西御馬屋外
中臣宅守 3776

 右二首,中臣朝臣宅守。

「都(みやこ)なりせば」,「都(みやこ)にありせば」之略。如果人在京城之中。反事實假定。
「西御馬屋(にしのみまや)」,右馬寮,位在平城京西面中門之處。
若是宅守身在京師,必定難耐慕情,守候在右馬寮門外,等待娘子退去歸來。

3777 【承前,六三五五。娘子和贈。】
 伎能布家布 伎美爾安波受弖 須流須敝能 多度伎乎之良爾 禰能未之曾奈久
 昨日今日(きのふけふ) 君(きみ)に逢(あ)はずて する術(すべ)の 方便(たどき)を知(し)らに 音(ね)のみしそ泣(な)く
 昨日且今日 與君相隔不得逢 手足無所措 相會無由亦無方 放聲號泣淚涕下
狹野弟上娘子 3777

「する術(すべ)の 方便(たどき)を知(し)らに」,「術(すべ)」、「方便(たどき)」為手段、方法之意。「知(し)らに」為不知。

3778 【承前,六三五六。娘子和贈。】
 之路多倍乃 阿我許呂毛弖乎 登里母知弖 伊波敝和我勢古 多太爾安布末低爾
 白栲(しろたへ)の 我(あ)が衣手(ころもで)を 取持(とりも)ちて 齋(いは)へ我(わ)が背子(せこ) 直(ただ)に逢迄(あふまで)に
 白妙敷栲兮 吾所餽贈衣手者 還願勤取持 齋戒祈禱吾君矣 直至有朝相逢日
狹野弟上娘子 3778

 右二首,娘子。

「我(あ)が衣手(ころもで)を」,衣手乃衣之雅語,衣裳、行見之衣。
「齋(いは)へ」,期望旅外的夫君能時常祈禱兩人速速相會。

3779 【承前,六三五七。宅守寄物陳思。】
 和我夜度乃 波奈多知婆奈波 伊多都良爾 知利可須具良牟 見流比等奈思爾
 我(わ)が宿(やど)の 花橘(はなたちばな)は 徒(いたづら)に 散(ちり)か過(す)ぐらむ 見(み)る人無(ひとな)しに
 吾宿庭院間 所植妍災花橘者 徒然花咲而 寂寞凋零散落哉 花開花落無人
中臣宅守 3779

「我(わ)が宿(やど)の」,此「宿(やど)」指宅守位於平城京之庭園。
「花橘(はなたちばな)は」,初夏花兒滿開之橘木。
「徒(いたづら)に」,哀憐花橘雖然綻開,卻無人可賞,落為徒然。
「散(ちり)か過(す)ぐらむ」,「散過(ちりす)ぐ」指花與紅葉等凋零散盡之狀。

3780 【承前,六三五八。宅守寄物陳思。】
 古非之奈婆 古非毛之禰等也 保等登藝須 毛能毛布等伎爾 伎奈吉等余牟流
 戀死(こひし)なば 戀(こひ)も死(し)ねとや 霍公鳥(ほととぎす) 物思(ものも)ふ時(とき)に 來鳴(きな)き響(とよ)むる
 戀慕欲死者 不若當下戀死矣 郭公不如歸 汝意蓋當如是哉 來鳴在吾憂思時
中臣宅守 3780

「戀死(こひし)なば 戀(こひ)も死(し)ねとや」,「とや」與「とか」指「難道是...的意思嗎。」「戀(こひ)も死(し)ね」表命令、希求語氣。不只霍公鳥,千鳥、呼子鳥、暮蟬、蟋蟀等,蟲鳥之鳴皆有令人更添戀慕之效,而為逆恨。
「來鳴(きな)き響(とよ)むる」,「響(とよ)むる」與「響(とよ)もす」同。

3781 【承前,六三五九。宅守寄物陳思。】
 多婢爾之弖 毛能毛布等吉爾 保等登藝須 毛等奈那難吉曾 安我古非麻左流
 旅(たび)にして 物思(ものも)ふ時(とき)に 霍公鳥(ほととぎす) 元無勿鳴(もとななな)きそ 我(あ)が戀增(こひま)さる
 羈旅在異地 身陷憂思抑鬱時 郭公不如歸 且莫無由來哀啼 我戀將湧心更悲
中臣宅守 3781

「元無(もとな)」,無心、無由。

3782 【承前,六三六十。宅守寄物陳思。】
 安麻其毛理 毛能母布等伎爾 保等登藝須 和我須武佐刀爾 伎奈伎等余母須
 雨隱(あまごも)り 物思(ものも)ふ時(とき)に 霍公鳥(ほととぎす) 我(わ)が住(す)む里(さと)に 來鳴(きな)き響(とよ)もす
 避雨不出戶 身陷憂思鬱悶時 子規霍公鳥 至我居里味真野 不如歸去淒來鳴
中臣宅守 3782

「雨隱(あまごも)り」,因下雨而無法外出。
「我(わ)が住(す)む里(さと)に」,此云配流所之味真野一帶。

3783 【承前,六三六一。宅守寄物陳思。】
 多婢爾之弖 伊毛爾古布禮婆 保登等伎須 和我須武佐刀爾 許欲奈伎和多流
 旅(たび)にして 妹(いも)に戀(こ)ふれば 霍公鳥(ほととぎす) 我(わ)が住(す)む里(さと)に 此(こ)よ鳴渡(なきわた)る
 羈旅在異地 心戀伊人愁傷時 子規霍公鳥 至我居里味真野 經此鳴渡不如歸
中臣宅守 3783

「此(こ)よ鳴渡(なきわた)る」,「此(こ)」此「此處」,表宅守現在位置。「よ」與「ゆ」、「より」同,指經由地點。

3784 【承前,六三六二。宅守寄物陳思。】
 許己呂奈伎 登里爾曾安利家流 保登等藝須 毛能毛布等伎爾 奈久倍吉毛能可
 心無(こころな)き 鳥(とり)にそありける 霍公鳥(ほととぎす) 物思(ものも)ふ時(とき)に 鳴(な)くべき物(もの)か
 無情不識趣 不識時務此鳥矣 子規霍公鳥 於吾憂思消沉時 豈應來鳴催悽愴
中臣宅守 3784

「心無(こころな)き」,思慮不足,淺慮。不知體諒對方之心理。
「鳴(な)くべき物(もの)か」,當作者已然深陷相思之情,聽聞鳥聲擇期情更切,指謫霍公鳥不識時務。

3785 【承前,六三六三。宅守寄物陳思。】
 保登等藝須 安比太之麻思於家 奈我奈氣婆 安我毛布許己呂 伊多母須敝奈之
 霍公鳥(ほととぎす) 間暫置(あひだしましお)け 汝(な)が鳴(な)けば 我(あ)が思心(もふこころ) 甚(いた)も術無(すべな)し
 子規霍公鳥 願汝稍歇息片刻 每逢汝鳴者 吾慕之心千萬絮 手足無措不知方
中臣宅守 3785

 右七首,中臣朝臣宅守寄花鳥陳思作歌。

「甚(いた)も術無(すべな)し」,「甚(いた)も」與「甚(いた)く」、「甚(いと)」同,極度地。

真字萬葉集 卷十五 遣新羅使歌、中臣宅守與狹野弟上娘子贈答歌 終
真字萬葉集 卷十六 有由緣,并雜歌
有由緣,并雜歌

3786 昔者有娘子,字曰櫻兒也。于時有二壯士,共誂此娘,而捐生挌競,貪死相敵。於是娘子歔欷曰:「從古來今,未聞未見,一女之見徃適二門矣。方今壯士之意,有難和平。不如妾死,相害永息。」爾乃尋入林中,懸樹經死。其兩壯士,不敢哀慟,血泣漣襟。各陳心緒,作歌二首
 春去者 插頭爾將為跡 我念之 櫻花者 散去流香聞 【其一。】
 春去(はるさ)らば 髻首(かざ)しに為(に)むと 我(わ)が思(も)ひし 櫻花(さくらのはな)は 散行(ちりゆ)けるかも 【其一(そのひとつ)。】
 有朝逢春至 欲折其枝飾髻首 朝思而暮想 吾所懸心櫻花者 倏忽凋零散去矣 【其一。】
壯士 3786

「髻首(かざ)しに為(に)むと」,「髻首(かざ)し」乃「髮插(かみざ)し」之略。以櫻花髻首者,為娶得美人為妻之比喻。

3787 【承前。】
 妹之名爾 繫有櫻 花開者 常哉將戀 彌年之羽爾 【其二。】
 妹(いも)が名(な)に 懸(か)けたる櫻(さくら) 花咲(はなさ)かば 常(つね)にや戀(こひ)ひむ 彌年每(いやとしのは)に 【其二(そのふたつ)。】
 伊人諱櫻兒 所負其名此櫻矣 每逢花咲者 吾必常念不相忘 歲歲朝朝戀更增 【其二。】
壯士 3787

「懸(か)けたる」,「懸(か)く」乃與之關聯。
「花咲(はなさ)かば」,原文「花開者」而或有人訓作「花散(はなち)らば」,此處尊重原文。
「彌年每(いやとしのは)に」,「彌(いや)」表重疊、彌增。