橢圓軌道

星野之宣SF作品集成III STAR FIELD (光文社コミック叢書〈SIGNAL〉 (0016))

星野之宣SF作品集成III STAR FIELD (光文社コミック叢書〈SIGNAL〉 (0016))

星野之宣SF作品集成III STAR FIELD (光文社コミック叢書〈SIGNAL〉 (0016))

『THE MASK OF THE RED DWARF STAR』(初の日本語版)/『楕円軌道』/『ターゲット』/『ウラシマ効果』/『大いなる回帰』/『Star Field』(初のカラー頁再現)/『灼ける男』/『超新星メギド』/『極点への旅』

最高の出来でした。
『THE MASK OF THE RED DWARF STAR』について、物語的は普通だけど、自然のルビレーザには面白かった。
『ターゲット』、『ウラシマ効果』、『大いなる回帰』、『灼ける男』には、人類そのものの愚かさを皮肉している。
超新星メギド』の切なさもなかなかいいものですが、特筆すべきのはやっぱり『楕円軌道』であろう。
スペーススケジュールにおいて、避けられないのは、取り返せない時間だった。
ウラシマ効果によって、その無力さをよく表現されるのは、トップを狙えでした。が、ウラシマ効果は簡単に起こすわけにもない。
『楕円軌道』において、どうしても超えられない「時間の壁」は、星間航行の決まりとも言える冷凍睡眠だった。
往返の度に15年ほど掛かる、しかもその中に13年は冷凍睡眠のなかに過ごしたものである。
この故、往返ごと13年の「時間の傷跡」が出来、知る人が悉く別世界に行ってしまうことに成る。
悲しいけど、それを受け止めるのは、人ではなく宇宙を選んだヒロインの宿命であり、罰である。
宇宙の中、人肌を恋しくなることは珍しくない。ヒロインもこの件、クルーの皆と関係が出来ている。
スペースステーションの老人のボスは、若いままヒロインの昔の知り人であることは最初からわかっている。
でも、男と女の関係は、幾つもちがう種類があります。友情であり、愛情でもある。まして時間の壁がその関係をより複雑に仕上がる。
クルーの人がヒロインの体を求めようとするが、老人とであったヒロインはそれを拒否。
クルーからヒロインとクルー全員との関係を教えられた老人は、鉄拳を出す。
これによって、老人とヒロインは只ならぬ因縁を持っていることは明らかなことである。しかも限りなく愛情に近い。
が、愛情とっても、幾つの形がしているのではないか。時間の壁をテーマにする物語には、恋人同士の話は陳腐なほど沢山あった。
果たして、突然の危機によって、ヒロインは老人を呼ぶ、「ベイビー!」と。
確かに愛情である。この世の誰よりも、ヒロインと老人の間には愛情がある。
しかし、恋人同士のそれとは全く違うタチであって、愛情の中でも、それは親情という愛情である。
危機を乗り越えて、ヒロインはまた旅立つ、今度は15年後、しかしヒロインの身には同じく2年の時間しか経らぬまま......



大日本史

 小野岑守,大徳冠妹子玄孫也。【皇胤紹運録。】父永見,征夷副將軍。岑守,延暦末,為權少外記。大同中,任畿內觀察使判官。【公卿補任。】超授從五位下,【類聚國史、公卿補任。】遷右少辨、式部少輔。弘仁中,為內藏頭,歷陸奧、阿波等守,入為治部大輔,敘從四位下,兼皇后宮大夫。十三年,任參議,兼太宰大貳。【公卿補任。】明年,以民困乏,節令管內九國佃公營田。於是詳録事實,陳其區畫。上表曰:「洪水滔天,大旱鑠地,自然之數,大聖無免免。唯堯湯之世,有十年之蓄,不聞道殣相望、棄捐溝壑者,積蓄多故也。方今頻年不稔,加以疫癘,管內諸國,被害最甚。振恤數加,府庫漸罄。?政頻行,民猶不足。比屋無釁炊之烟,連戶多荒掠之門。因斯薄賦省徭,既闕支度之務。公用守常,責民輸貢之費。儻非通變,治恐難致。易曰:『通其變,使民不倦。』劉子曰:『明主務修其法,因時制宜。苟利於民,不必法古。或害於事,不可循舊。夏商之衰,不變法而亡;三代之興,不相襲而王。』由此觀之,法宜變動,非一代也。今法者溺於故律,儒者拘於舊禮。若握一世之法,以御百代之民,猶以一衣擬寒暑,一藥治痤瘕。臣變易常制,輙上新議。事之由趣,具列表左。既免調庸,兼給糧食。於民為優,於上為艱。又古者九年耕,必有三年之食。以三十年通計,有十年之食。雖凶年水溢,民無菜色。今之所議,九國三十年之積,三千二百餘萬。以之混合正稅,永代之畜,不謝上世。伏冀倉廩之實,指期可待,禮節之知,不在遐年。」敕議其便宜。公卿議曰:「岑守所言,抑有可取。但古來所行,誠憚卒改。試限四年,依請行之。」【政事要略。】天長中,進從四位上,【類聚國史、日本紀略公卿補任。】為勘解由長官,兼刑部卿。【公卿補任。】七年,卒,年五十三。【日本紀略公卿補任。】岑守與中納言良岑安世、中務大輔朝野鹿取等,撰內裏式。【內裏式序。】又與式部少輔菅原清公、大學助勇山文繼等,撰凌雲新集一卷上之。【凌雲集序。】先是,行旅之赴太宰府者,露宿道傍,往往嬰病致死。岑守為大貳,建続命院,以備行旅止宿。以謂不藉公力,恐久而廢替,乃敘本意,修解文曰:「府管九國二島之民,或公或私,往來相続。其求輕者,暫經時月。其事重者,竟歲始還。客宿於府倉之下,賃寄於閭閻之間。若疾病纏身,手足不便。官司督察,非養病之處。主家相趁,皆忌死之人。遂使露臥道路,暴死風霜。縱有時得痊愈,亦以飢寒死者,十而八九矣。見其如此,心深救恤。聊建続命院一處,檜皮葺屋七宇,鼎一口,墾田一百十四町,以擬救飢病。有志無力,庶幾萬一。地隔人遠,執檢難周。轉以屬人,更徐ョ疏廢。若遂不藉乎公力,恐志願之竟空。伏望,令府監或典一人,及觀音寺講師,勾當其事。替代之日,一事已上,皆依實勘附。若不加修理,令致破損,及非法費用之類,並以官法論。」解文未上而卒。後其家追請。敕下所司:「依所請。勾當之官,遷替之日,與奪解由,一准國司。」【続日本後紀、類聚三代格。】子篁,自有傳。

http://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/dainihonsi/dainihon.htm