1400まで


大日本史

 藤原有貞,童齓侍仁明帝,以娣為女御故,殊被寵遇。承和中,為丹波介,不之任,以宮闈之嫌,出為常陸權介,入任右近衛少將。貞觀中,歷備中等守,敘從四位下,為近江權守。十五年,卒。有貞,不以權貴矜物,而有忤其意者,未嘗回避焉。【三代実録。】

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Dies iraeActa est Fabula〜 体験版収録デモ

では一つ、皆様私の歌劇を御観覧あれ。



時よ止まれ──おまえは美しい



──英雄の誕生にて、幕は上がり──



「──」


「……てめぇ」


「なに俺の女ボコってんだ、殺すぞ」


「え、ぁ……えぇ?」


俺の女って、なに?


「マリィ」


「──はい」


名前を呼ばれるのがこんなに気持ちいいなんて初めて知った。


「すまない。俺のせいで、痛かったろ」


「ううん、全然、そんなこと……」


労わりの言葉に心が震えて、声も震える。


わたし平気だよ、大丈夫だから──


「ねえレン、一緒に戦おう」


「え……?」


驚いたような声。可愛い。
だからもっと驚かせたい。喜ばせたい。
あなたをわたしが幸せにしたい。


「一緒に勝とうよ、わたしがなんでもしてあげるから」


「あ、と…その……なに?」


しどろもどろになる彼を無視して、決め台詞。


わたしを抱きしめるレンの手が、ぼろぼろに焼け焦げてるのが許せない。


よくもよくも、よくもこんな──
精一杯怒った顔で睨みつけて、思っきり言ってやろう。


「わたしの男ボコってんじゃないわよ、誰にも渡さないんだから」



──我が女神を抱きしめるか



「言いましたよね。あたしは人殺しだって。だから、ケジメつけないといけないんですよ」


「先輩、蓮のこと好きですか?」


「あいつの駄目なところ、十個くらい言えます?」


「まず、意外に短気。すぐ嘘つく。秘密主義。思ってること口にしない。鈍い振り大好き。カッコつけ。顔可愛いのに褒めると怒る」


「あと、古い」


「実は男尊女卑思考」


「極めつけは、やっぱりあれでしょ」


「みんな一人で片付けようとするところ」
「みんな一人で片付けようとするところ」



──はたまた、傍らの陽だまりを守り抜くか──



「ねえ、これは関係ないんだけど」


「藤井君、綾瀬さんが好き?」


「私のことは、やっぱり嫌い?」


「いい加減、何かいってよ」


「あなたどうして、私のときだけ黙るのよ」


「綾瀬さんのときも、氷室先輩のときも、なんだかカッコイイことを平気な顔で言ってたくせに」


「私にだけ愛想がないのは、やっぱり嫌いだからって、そういうことなの?」


「……」


「言いたくないなら、私は私で勝手に言うけど」


「いいよ、別に」


「じゃあ、一緒に言おうよ」


「出来るだけ大声で、どうせ周りに誰もいないし」


「ね、いいでしょ?」


「……オーケー」


「せーので、いくわよ。さん、はい──」


「俺は──」
「私は──」


「櫻井螢が──」
「藤井蓮が──」



──銳鋒な剣へと手を差し伸べるか──



「物はいらないから、ひとつだけ言うことを聞いてほしい」


それはこの人らしくない、憂いを帯びた口調。
俺は、彼女が何を言おうとしているか分かっていた。
分かっていながら、止めることが出来なかった。


「もう逢いたくない」


きっと、この人はそう言うだろうと分かっていた。


「二度と私に逢わないって約束して」


「学校、楽しかった。キミがいて、綾瀬さんがいて、遊佐君がいて、私こんなだから分かり難いかもしれないけど、キミたちが大好きだ

よ」


「だから……」



──黄金の礎を救い上げるか──



流れ出す魔城(ヴァルハラ)の軍勢(レギオン)か。
結びついた魂(レギオン)の絆か。


今宵、歌劇は未知の世界に至り──


この恐怖劇(グランギニョル)は結末を見る。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm8817107


ゲーテ:「ファウスト」より
http://sces.th.phy.saitama-u.ac.jp/~saso/Faust.html


三島由紀夫「軽王子と衣通姫」試論
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000045111