黒いユニコーン

■黒いユニコーン

読了。本巻も怒濤の展開が面白かった。

「たが、あなたみたいな若い人がそういう括り方をするのは良くない。すべての物事は、人の善意から発しているのだという事は、覚えておいた方がいい。」
「人の、善意......?」
連邦政府を作ったのも、宇宙移民をしたのも、人間と地球を救いたいって善意から始まった事だ。地球に居残って、自分の子供に住み慣れた土地を譲りだしたいと思うの善意。会社を儲けさせて、与えられた責任を果たそうとするのが善意なら、出世して家族の生活をよくしたいと思うのも善意...」
「でも、それはエゴと呼ぶべき物です。そうして全体を顧みない人たちのエゴが、地球を...」
「そうかもしれんがね。その善意を否定してしまったら、この世は闇だよ。」

機動戦士ガンダムUC (7)』P29

やり方が違うでも、信念か主義も違うでも、例えどこか間違ってたとしても、その始まりには善があると信じない限り、或いは理解したい限りは、お互いの分かり合う可能性を否定して、拒絶の意識だけを剥き出すまま、共識などできやしないと、近頃の台湾、アジア、まして世界中の出来ことを見て実感してます。