仁徳紀

日本書紀 卷十一 仁徳紀
http://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/syoki/syoki11.htm
電子テキスト、リニューアル致しました。



仁徳紀が面白いエピソードがいくつも積んでいた一巻なのですが、
どころで、此度のリニューアルには改めて興味深いと思うエピソードは、隼別皇子の話です。

 卅┼年の春二月、雌鳥皇女を納れて妃とせむと欲して、隼別皇子を以て媒としたまふ。時に隼別皇子、密に親ら娶りて、久に復命さず。是に、天皇、夫有ることを知りたまはずして、親ら雌鳥皇女の殿に臨す。時に皇女の爲に織糸兼る女人等、歌して曰はく、

  • 久方の 天金機 雌鳥が 織る金機 隼別の 御襲料


 爰に天皇、隼別皇子、密に婚けたることを知りたまひて、恨みたまふ。然るに皇后の言に重り、亦友于の義に敦くまして、忍びて罪せず。俄ありて隼別皇子、皇女の膝に枕して臥り。乃ち語りて曰く、「鷦鷯と隼と孰か捷き。」曰く、「隼は捷し。」乃ち皇子の曰く、「是、我が先てる所なり。」天皇、是の言を聞しめして、更に亦恨を起したまふ。時に隼別皇子の舍人等、歌して曰く、

  • 隼は 天に上り 飛翔り 齋が上の 鷦鷯取らさね


 天皇、是の歌を聞こしめして、勃然大きに怒りて曰はく、「朕、私の恨を以て、親を失はまほしみせず、忍びてなり。何ぞ興且ますとして私の事をもて社稷に及さむ。」則ち隼別皇子を殺さむと欲す。時に皇子、雌鳥皇女を率て、伊勢藭宮に納らむと欲ひて馳す。是に、天皇、隼別皇子逃走げたりと聞しめして、即ち吉備品遲部雄鯽・播磨佐伯直阿俄能胡を遣して曰はく、「追ひて逮かむ所に即ち殺せ。」爰に皇后、奏して言したまふ、「雌鳥皇女、寔に重き罪に當れり。然れども其の殺さむ日に、皇女の身を露にせまほしみせず。」乃ち因りて雄魚即等に勅したまふ、「皇女の齎たる足玉手玉をな取りそ。」雄魚即等、追ひて菟田に至りて、素珥山に迫む。時に草の中に隱れて、僅に免るることを得。急に走げて山を越ゆ。是に、皇子、歌して曰く、

  • 梯立の 嶮しき山も 我妹子と 二人越ゆれば 安蓆かも


 爰に雄鯽等、免れぬることを知りて、急に伊勢の蒋代野に追ひ及きて殺しつ。

http://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/syoki/syoki11.htm#sk11_06

えっと、隼別皇子とその愉快な仲間たち....現代に生きたらなにか悪事を行うとドヤ顏でツイートしないと居られないDQNになりそう。
しかも全部炎上ツイートフラグ。
とほほ......





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公式、直してくれよ!!