重い金属とどす黒い油に塗れて。
どんなメカニックでも同じ。唯、綺麗なボディを被り、見えなくしているだけ。車は皆そうだ。メタリックの塗装で光り輝いている。銀のモールドがぴかぱかだ。シートはソファと同じ位ふかふかで。木目のダッシュボードは額縁みたいにつるつる。ススピーカからは楽しい音楽が流れ出る。楽しさと綺麗さで、シャーシの重さと黒さを隠している。肝心のメカニズムは見えないようになっている。
飛行機は、それがない。
飛ぶ為に余分な物は載せられないからだ。
飛行機がスクラップに成った時には、其処に木標が立つだろう。こう刻まれた墓標だ。私は精一杯飛びました。そして帰っていきます、と。
ガソリンの匂いがした。悪くない。
この飛行機だ。
僕の飛行機だ。
これで、空を走り回れる。
飛び回れる。
僕は笑った。
躰の内側から、それが湧き上がってきたからだ。
信じられない、また飛べるなんて。
素敵だ。
幸運だ。
操縦桿を左右へ振った。
ほんの僅かに遅れて、世界が回転する。
すべてが僕についてくる。
何処にも触れていない。
何者にも支えられていない。
自由だ。
何もかも無関係。
僕は、僕であって、僕以外には無関係。
どうして、こんなに簡単な事が許されないのだ?
どうして、こんなに純粋な事が許されないのだ?
避けられている。
遠ざけられている。
拒まれている。
妬まれている。
蔑まれている。
恐れられている。
憎まれている。
嫌われている。
何故、自分でない者にまで、自分の愛を押し付ける?
それが愛だと信じさせる為にか?
本当の愛ならば、人事させる必要などない。
違うか?
ああ、人間たちはみんな馬鹿だ。
この飛行機の、この美しさを見ろ。
この翼を見ろ。
これに較べたら、全てが醜い。
愛なんて、錆のような物だ。
それが綺麗な營みだと、錆が思い込んでいるだけ。
美しさを知らない。
何も見ていない。
美しさとはmこの冷たさの事だ。
なんて、懐かしいだろう。
僕の喉が痙攣し、息が震えた。
目を開けると、涙が滲んでいる。
金属が濡れてしまった。僕は袖口でそれを丁寧に拭った。
けれど、涙は止まらなかった。
ああ......、僕は泣いているのだ。
悲しくないのに、泣いている。
たぶん、この美しさのせいだ。
美しさに涙が出る。
こんなに美しい存在が、世界にあるだろうか。
機体の曲面にぼんやりと映った自分の醜い姿を見る。
どうして、人間はこんなにも醜いのだろう。
でも、そんなことで泣ける訳ではない。
どんなに可哀想でも、どんなに惨めでも、涙なんて出ない。
涙が出るのは、崇高な美に触た時だけ。
読みながら、ああ、森博嗣さん。超判ってるじゃ!メカフェチの心を!
多分去年のことでしょう。実験実の機材や部品の整理に、後輩があるものを手にした時。
「惚れちゃった?」と私が言った。「んな訳ないだろう。温もりもなにもない!」と後輩が答えた。
其の時、心の中で何遍べんも何遍も、判ってないなキミ、と無限ループした覚えが...
■大日本史
巨勢麻呂。祖大海,推古朝,授小恕y冠。父志丹,舒明朝為京職,敘直大參。【續日本紀。】麻呂,持統朝,授直廣肆。【日本紀。】慶雲中,為民部卿,時位從四位下。和銅中,為左大辨,在官公平,授正四位下。陸奧、越後蝦夷等侵擾邊陲,徵發遠江、駿河等七國兵,以麻呂為陸奧鎮東將軍,賜節刀,授軍令,與民部大輔佐伯石湯、內藏頭紀諸人,出自兩道討平之。進正四位上。六年,進從三位。靈龜元年,拜中納言,奏:「建出羽國,已經數年。土地膏腴,田野廣衍。然吏民稀少,狄徒未馴。請徙近國民以實之,綏撫狄徒,兼保地利。」從之。養老元年,薨。石湯,文武朝為伊勢守,敘從五位上,帝幸伊勢,賜湯封一十戶。元明帝時,進正五位下,任民部大輔,為征越後蝦夷將軍。事平,拜右將軍。【續日本紀。】
http://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/dainihonsi/dainihon.htm
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