新撰姓氏録第一部【皇別】

新撰姓氏録 第一部【皇別】電子TEXT化完成
http://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/mokuroku/syoujiroku/syoujiroku.htm
そろそろ神別進出する頃合かも


■熱海旅行開始
http://d.hatena.ne.jp/jagabata/20100710#p5
そこもまた、カレシが一人、熱海へ旅立つ...


■DORA


■Die Morgendämmerung

  • Valerian Trifa:「私はね、思うのです。この空も、この星も、世界を余さず包んでいるのに、何で人は争わずに居られないのか?もし叶うのなら、この戦争を人類最後のものにしたいと、そう願うのは、滑稽ですかね........」
  • Anna Maria Schwägerin :「さぁ、でも、貴方の望みを叶える方法があるとするなら、きっと一つね、この戦争は永遠に終らなければ良い、そういう事よ、神父様。」


■1945

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怒りの日は斯の日なり(Dies irae dies illa, )、
世界を灰に 帰せしめん (solvet saeclumn in favilla, )、
ダヴィデとシビラの 預言のごとく(teste David cum Sibylla. )。

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 1945年4月31日,大独逸帝國が終焉を迎えようとしていた。壓倒的物量戰に押し潰されたベルリンが、もはや陷落寸前である。帝都を包囲する赤軍五十萬は、著著にその輪を狭めて行き。生きて其処から脱する事はまず不可能と言って構わない。

 悲鳴と銃声と爆音の共奏曲は絶え間無く、且つ容赦無く鳴響き、町と人を根底壊し、鏖殺していく。撃殺される男たち、蹂躙される女・子供、死に行く千年帝國の斷末魔、阿鼻叫喚の地獄絵図。

 それは確かに、一時代の終りとして相応しい悲劇かも知れないが、生憎とまだ温い。こんな物では世界の敵を滅ぼし切るなど到底出来ない。寧ろその逆、巷間に焼かれる不幸の民の魂が、よりいっそう我らに力を与えるのであろう。

 その大戰を制したつもりで有頂天の者どもが、誰一人その事實を気づいていない。哀れであり滑稽である。本来なら此処で彼らを蔑む死の一つでも捧げてやるべきなのだろうが、私が思う、万象総てに於いて何もかも予想の範疇に納まる人生など、何の意味があるのだろうか?

 退屈だ。飽き飽きして眠くなる。だが、見る夢すらも予想がつく故、寝ても覚めでも詰らない。それは何と徹底して価値のない、そして何と馬鹿馬鹿しい物語が、私を主人公として曲劇を作れば、歴史に残る劣悪なダサくとなるのだろう。私が表に出るべきではない。そう結論を付け、此処に至る。

 義理上、その旨、我等が首領殿に断りを入れねば成らんのだろうが、この帝都と運命を共にする、一千一萬の同胞たち、その魂に安らぎを。では諸君、ご冥福を祈りする。Auf wiedersehen。