謡曲だったとは・・・

■例の紀貫之の歌は謡曲だったとは・・・

懸案事項になった紀貫之の歌は、中川さんの御蔭様でついに分かりました。
確かに『前賢故実』の歌人伝が殆ど『大日本史』のパクリですが、書かれた変体かなは『大日本史』に載った貫之集の歌とはちょっと違います。
貫之家集には、「かき曇り,あやめも知らぬ,大空に,ありとほしをば,思ふべしやは。」という歌がありますが。
変体かなを翻刻すれば、「あ満く裳の...」に成りまして、「天雲の」かと思われます。
例え、「ありとほしをば,思ふべしやは。」は同じでも、前半は違うもののようです。
結局、和歌集、家集の出ではなく、謡曲「蟻通」の話でした。

シテ詞「さて御身は如何なる人にて渡り候ふぞ。
ワキ詞「これは紀の貫之にて候ふが。住吉玉津島に参り候。
シテ「貫之にてましまさば。歌を詠うで神慮に御手向け候へ。
ワキ「これは仰にて候へども。それは得たらん人にこそあれ。われらが今の言葉の末。いかで神慮に叶ふべきと。思ひながらも言の葉の。末を心に念願し。雨雲の立ち重なれる夜半なれば。ありとほしとも思ふべきかは。
シテ「雨雲の立ち重なれる夜半なれば。ありとほしとも思ふべきかは。面白し/\。我等かなはぬ耳にだに。おもしろしと思ふこの歌を。などか納受なかるべき。
ワキ「心に知らぬ科なれば。何か神慮に背くべきと。
シテ「万の言葉は雨雲の。
ワキ「立ち重なりて暗き夜なれば。
シテ「ありと星とも思ふべきかはとは。あら面白の御歌や。
地「凡そ歌には六義あり。これ六道の巷に定め置いて六つの色を見するなり。地「されば和歌のことわざは。神代よりも始まり。今人倫に普し。誰かこれをほめざらん。中にも貫之は。御書所を承りて。古今までの歌の品を撰びて。喜をのべし君が代の直なる道を現せり。

http://japanese.hix05.com/Noh/5/yokyoku507.aridousi.html

ついでに、FLASHをも作ってみました。
http://iiaccess.net/upload/view.php/002764.swf
興味ある方は、翻刻を挑戦してはいかがでしょうか?



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