続・アワのうた

蔽サイトアワのうた説明ページの公開と伴に、
以前、加納屋新兵衛さんから貰ったメールを公開して頂きます。


PS2版「再臨詔」EDの神代文字に関する考察』

PS2版「再臨詔」EDの文字は、仮名に変換するなら

汰一 アカハナマ イキヒニミウ
沙夜 フヌムエケ ヘネメオコホノ
栞  モトロソヨ ヲチレセヱツル
万葉 スユンチリ シヰタラサヤワ

だと思います。

これは、「秀真伝」にある「アワ(天地)の歌」と呼ばれるものです。
48の音の神の言霊を表すとされ、「秀真伝」の様々な場面で、その効用が語られます。
イザナギイザナミによる和合と国生みの場面でも、イザナギが上の句24文字、イザナミが下の句24文字を歌ったと、「秀真伝」は伝えています。

PS2版「再臨詔」では、恐らく武と万葉をかつてのイザナギイザナミに例えて、彼らがやっと夫婦として結ばれる事、彼らが現世神として国造りをしていく事を示す為に、「アワの歌」を引用したものと思われます。

ではこの「アワ(天地)の歌」の正体は何かというと……
単に50音図を読み替えたものに過ぎません。
こう書くと、それが判明するでしょう。

アカハナマ
イキヒニミ
ウクフヌム
エケヘネメ
オコホノモ

トロソヨヲ
チレセヱ
ツルスユン
チリシヰ
タラサヤワ

つまり50音図のア、カ、ハ、ナ、マ行を上(天)から、タ、ラ、サ、ヤ、ワ行を下(地)から読んだから「ア(=天)ワ(=地)の歌」という訳です。

50音図が作られるにあたっては、サンスクリット語の影響があったのではないかと言われています。
「秀真伝」の作者はこれを廃し、さらに中国より渡来した「陰陽五行説」も、日本古来のものであると主張したいが為に、「秀真伝」や「伊予文字」を偽作したのではないでしょうか。
「アワの歌」は、五母音からなる50音図を、五行ずつ天地、つまり陰陽から読み分けたものに他なりません。

上代特殊仮名遣による八母音説は、「秀真伝」が偽書である有力な証拠の一つですが、「秀真伝」の内容を見ても仏教や陰陽五行説の影響が色濃く見られ、とても神代のものとは思えません。

50音図が現代の形になったのは鎌倉期の事とされ、この事から「秀真伝」は古くとも鎌倉時代から江戸時代の頃の偽書と考えられますが、「夫婦和合」を建て前にした儒学的思想が随所に見られ(これは真言立川流の影響と見る向きもあります)、恐らく朱子学が盛んになった江戸時代以降の作と思われます。

50音図は神代からあったと主張する国学者もいました。
従って恐らく江戸期の国学者か、それに傾倒していた神道関係者によって書かれたのが、「秀真伝」だと思います。


追記;

http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/

「秀真伝」については、↑のサイトにある↓の説明が簡潔にまとまっており、参考になりました。

http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/k980816.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/k020318.htm

また、神代文字全般については、

http://f1.aaacafe.ne.jp/~megalith/

↑のサイトの↓の説明が詳しいです。

http://f1.aaacafe.ne.jp/~megalith/jindaimoji.html
上代特殊仮名遣による八母音説については、

http://www.aozora.gr.jp/

↑のサイトにある↓を読まれると良いでしょう。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000061/card510.html

以上、宜しければご参照下さい。


超自然文化研究會・加納屋新兵衛





加納屋さんはアワのうたをイザナギイザナミが婚合した時が有ったと仰ったのですが、
実はホツマツタヱを調べると、アワのうたの成立は生国・生神の後の出来事でした。

メールを貰った当時、 サイトでの公開許諾も一緒に貰いましたのですが、
残念ながら今は加納屋さんと連絡を取らない現況です。
もし、加納屋さんの事を知る方、或いは本人がこの記事を観たら、是非ご連絡御願い致します。