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大日本史

後堀河天皇
 典侍藤原氏,權中納言家行女也。【一代要記、歴代皇紀女院小傳。】稱別當典侍。【一代要記。】生室町院、神仙門院。【女院小傳。○皇胤紹運録為藻壁門院所生。】

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■読了
[rakuten:book:10986484:detail]
悪く言うと、歴史専門の人にしてはドンでもない説まで後一歩って感じが否めませんね...別の視点によって、日本書紀及び通説を反論するのは作者の意気地なのですが、他説を「考えが足りない、破綻がある。」を言い切る割りに、自説も十分とはいえないのもアレですね。何故かというと、ある処を「ここは改竄されて史実とは異なる」と言いつつも、同じところで「この記述から観ると、本当は...」という、都合のいい所だけ肯定していて、実証史学でありながら、「主観的実証史学」になり下ったのだと思います。つまり、「日本書紀がきっと何かかを改竄している」という考えに囚られ、「主観的実証史学」というか「否定史観」になってしまったのではないかと思います。前提を持って考証を行い故、客観性が欠けれてます。
例えば、『日本書紀』の「乙巳の変」について、「日本書紀が書かれていることは、杜撰であり、史実とは程遠い。」と言って、「古人大兄が『韓人が鞍作臣を殺した!』といったのは、多分そのままの事実であろう。補注にある『韓人と言うのは、韓政により殺された』がどうみても誤導的な解釈である。」も言った。確かに、「韓政により殺された」という補注が怪しいと思います。韓政のせいよりも、そのまま蘇我入鹿を殺したのは韓人だと言ったのではないかと思います。(私見では、暗殺者が三韓貢調を奉上する者に偽して入鹿を暗殺したからなのではないかと思います。)でも、本当に作者が言った如く「蘇我氏は逆上ではなく、崇峻天皇が大君として相応しくない上に、讓位システムも未成立のため、殺されるべきだった。領導階層の合意によって行ったのである。」とは考え難いのです。なにより、『日本書紀』はそこまで改竄を行ったら、古人大兄の話を正直的記録しなくてもいいのではないか。どう観ても編纂者にとって都合が悪すぎます。それに、大友皇子の正統性を抹消する為に、近代の歴史はそれなりの公正性がなければ、みんなどんでもない歴史に思われ、天武正統説を台なしにするしか...あと、物部守屋を「用明天皇を暗殺(未遂)したから、群臣に討伐された」説も...アレですね...こういう場合、穴穂部が無事な訳ないでしょう...正直、読みながらフラストレーションが 溜まります。
但し、作者は自身が学者出身だけあって、色々面白い考え方と検証をも行ったのですから、観て得るところも幾つあります。そういえば、『臣、罪を知らず』の作者もこの人でした。確かにMunyuさんのとこで紹介を見た気が...でも何故か見つかれませんでした。(追申、今年十月をもって、また新書出てますし。持論はその延長線にありに見えます。)


嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸