新撰姓氏録、完成

新撰姓氏録、完成
http://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/mokuroku/syoujiroku/syoujiroku.htm

栗田𥶡『新撰姓氏錄考証』を底本テキストに、北川研究室電子テキストを参考して作成致しました。
大日本史列伝から初め内部リンクを追加して、読み・調べやすいように配慮したつもりですが如何でしょうか?



■『世紀末オカルト学院聖地巡礼してアニメと同じ構図の写真を撮影してきた人
http://otanews.livedoor.biz/archives/51562737.html
世紀末オカルト学院』というタイトルだけでもしやいい加減な見せ掛けオカルトではないかと思いましたが、
実際見てみるとオカルト考証がわりときちんと(遊び)しています。しかも竹内文書民俗学など、個人的は馴染み深いネタも満載しています。
オカルト嫌いのオカルト通のヒロインがオカルト事を解説している姿は何故か己の影が......



■『CGフルカラーリマスター! 太平洋戦争激戦録』
http://beatarai.blog90.fc2.com/blog-entry-1892.html
欲しい!



アリゾナ砂漠在住の老人、ハルヒを語る

英語吹き替えは良かった。
それは何故かと考えてみると、ハルヒ動物化しているのではありませんか?
いつも思いますが、日本の声優は情感表現(の機微)が上手で、アメリカ声優は肉体表現が上手です。*1
吸血鬼ハンターDの映画を見れば替わる通、
心の葛藤を演技するのが日本声優で、アクションのノリを乗っているのはアメリカ声優と思います。
ハルヒの英語吹替がよかった原因は、それは動物化というノリで動いているのではないかと思います。
それは恐らく私がハルヒが好きにならない原因の一つかもしれません。


Dies irae~Acta est Fabula~ メモ

肉が、骨が、魂が、瞬時に気化して蒸発したかと疑う衝撃。目の前に火花が散り、全身から血が迸る。
「私以外の者には、この槍は触れん」
”持ち主”以外、これは誰にも侵されないと。
「それは天罰というやつだ。名誉だろう。聖書に造詣は深いかね?」
「太古、ノドの地に落ちたとされる星の鉄。誰も触れ得ず近寄れず、決して消えずに燃え続けたというそれは、資格無き者達を容赦なく焼き尽くした」
「鍛治の始祖(トバルカイン)がこれを鍛え上げてからも、その特性は変わっておらん。筆を選ばぬ卿でも無理だ」

「黒円卓の者共は、皆この洗礼を受けたのを知っているかね?だが、言ったように槍の劫罰は持ち主以外を焼き尽くす」
「直接その身に聖痕(スティグマ)を受けた者は一人もおらん。さて、どうかなレオハルト。卿はこれに耐えられるか。耐えたとしても、なお私に刃向かえるか」
「......ッ」
「卿の不退転、折れぬ気概は賞賛に値する。とはいえ性でな。強固なものを見ると壊したくなるのだよ」
「ああ、耐えろ。堪えろ。抗ってくれ。従順だけの女はつまらん」
「私を失望させないでくれ」
「あッ、く──、あああぁぁァァッ───!!」
玉座に絶叫が響き渡る。脇腹に触れた聖槍の切っ先は、先ほど俺が味わったのと同じ天罰とやらを櫻井に与えていた。
そしてあの穂先は肉を抉り、魂にまでめり込めば──
「てッ、めえェェッ──!」
戦奴の証である聖痕が、櫻井の身体に刻まれる。
「第八──SS騎兵師団(フロリアンガイエル)」
「なッ──」
だが、吶喊する俺を阻むように足元の床が爆発した。髑髏の群れが行く手を阻む。
「暫し見ていろ、血涙を流せ。女を汚される屈辱は、どうして古今に比類がない」
「正直、私は未だに解せん。カールが女を見限るなど有り得んことだ」
「卿、あの魔術師殿に秘策の一つや二つ授かったら、早々に開陳することを勧めよ」
「でなくば──」
「うッ、が......、ぐううゥゥああああ──ッ」
痙攣しながら叫び上げる櫻井は、既に意識が有るかどうかも疑わしい。そんなあいつを前にして、俺は手を差し伸べることすら許されず──
「私に全力を出させてやると、カールは約束したのだよ。怒りの日(ディエス・イレ)に先駆けて、私の飢えを満たしてやると」
「それは真、卿ならば、武威をもって証を立てろ。黒円卓の者共は、その為だけに存在した」
「ベイを、マレウスを、クリストフを、マキナを、ザミエルを、シュライバーを──乗り越えここに至った卿、友軍の援護など問題ではない」
「卿が卿であったればこそ、私の爪牙を折り砕けた。奇跡とは即ち必然、起こせる者がいるからこそ起きるのだ」
「再度言う。失望させるな」
「おッ、おおおおおおおォォォッッ──!」
魂から絶叫する。吠えて奴に手を伸ばす。全身に集まる髑髏が撃ち込む牙も爪も、痛みも何も意中にない。
ただ、激怒。この無力さが狂気に至るほど許せない。命も魂も要らないから、俺に櫻井お助けさせろ。
もうこれ以上、目の前で、力及ばず誰か失うなんて耐えられない。
メルクリウスが、あの男が、まだ何かを仕込んでいるなら今すぐに──
何でもいいから、俺に力を──
「無為か。ならば仕方あるまい」
文字通り血涙を流して吠える俺に嘆息すると、櫻井に視線を移すラインハルト。
「男を見る目が無かったな。だが良し。愛い女とはそういうものだ」
その槍が、切っ先が、脇腹を抉ろうとする瞬間に。
「私は──」
神火の劫罰に晒されながら、漏れた櫻井の声は何処までも穏やかで平静でった。
「私は、後悔などしていません。見る目には、自信があります」
盲目に、頑なに、今まで狂信と共に血塗れの道を駆けてきた身でありながら。
視野狭窄の代名詞みたいな人生を送っていながら。
「私は、生まれ変わったんです。彼のお陰で、目覚めたんです」
「ハイドリヒ卿、彼は約束してくれました。絶対にあなたを斃すと」
「知っていますか?主人公は無敵なんだそうですよ」
「──ッ」
あんな、俺の、馬鹿な戯言なんかをこいるは──
「その時、視界が開けました。ああ、そうなのかって......」
「彼は、必ずあなたを斃す。例えここで、私が死んでも──」
自ら聖槍の柄を握り締め、業火に焼かれながらも毅然と吠える。
黄金の魔眼を真っ向から睨み据え、天地に信じるものは一つだと。
「彼の人生(はなし)に、あなたは所詮邪魔者だ!何時までもジャンル違いがのさばるんじゃない!」
「たとえ何時の時代にも、あなたのような人の居場所はない!」
「うッ、おおおおおォォォォッ───!!」
全身に髑髏を纏いつかせたまま、振り上げた劍で一刀両断。死者で構成された戦車を真っ二つに破壊する。隊列を乱された師団が再び陣形を組み直す前に、その掟びを衝いて突破した。
「馬鹿が──この馬鹿女がッ!」
絶対勝つと、負けないと、確かに俺は言ったけど。
「一番肝心なところを忘れてんじゃねえッ!」
結果を、勝利を、俺一人で向かえてどうするッ?
「おまえが──」
おまえがそれを、その目で見て──
「俺に惚れなきゃ、意味がねえだろッ!」
時間が無い。距離が遠い。全速で駆けれもあの場所には届かない。
だったら一つ──理屈も確率も度外視して、再び創造を発動させる。
いいや、さらにその上へ──
今、俺の胸を焦がす渇望は──
「────ぬ?」
これ以上、誰も死なせないというだけだったから。


再度、激震するヴェヴェルスブルグ。先ほどのそれとは何かが違う。
一瞬の解れでも、刹那の揺れでも、虚の空隙でも有り得ない。
これは”崩壊”──
百万の死者で固めた地獄(ヴェルトール)が、音を立てて瓦解していく。

「まさかな、いや──なるほど、そうか」

魔城の大部分を占める三人の大隊長を失って、なおかつ第八は未だ開かぬ。
結束が緩み、統率が不完全。本来何者にも崩せぬラインハルト・ハイドリヒの創造が、今は脆弱に堕している。
無論、だからといって匹夫が数億集まろうと、この世界は揺るがぬが。
「卿ならあるいは──カールの血を受けし者の証、ついに証明したな、御敵よ」
掴んだ少女を無造作に放り投げ、両手で槍を構え直す。
ついに、ついにここに来て、怒りの日の第一楽章が謳われる。
死者を赦さないというその渇望──なるほど、この地獄(ヴェルトール)には正しく覿面と言っていい。
新たな聖遺物に換えたことで”生まれ変わり”──以前と別の創造を獲得するに至ったか。
「面白い」
何にせよ、笑わせる飛躍変異。資質において並ぶ者なしであるその立場は、伊達に非ずということか。
筆を選ばず、渇望さえ使い分けるとは、正に単独の軍勢(レギオン)だ。
一体他の何者に、こんな真似が出来るという──
差し詰めこれは荒唐無稽(スケルツォ)──成程悪魔的なほど冗談じみて、序曲(オーベルテューレ)の続きに相応しい。
終曲(フィナーレ)には未だ遠く、終らせるつもりも無論ない。

「死を思え(メメント・モリ)──私の美感(ありかた)を否定するか、よかろう」
ならばその愛しき渇望、私がここに破壊してやる。
「人は死すまで幸福に成れない(ネモ・アンテ・モルテム・ベアトウス)。愉快なり」
誇れ聖餐杯。卿が焦がれたものの体現者がここに在る。
愛を失い、生に迷い、死に狂ったヴァレリア・トリファ。
死は絶望なりと思いながらも、破壊に魅せられ続けた哀れな男よ。
その矛盾故に卿が至れなかった一つの境地を、この男が形に変えた。
私の地獄(ヴェルトール)を破壊しようとするほどに。
「Oh! Welchen Wunders Höchstes Glück!(おお!至福貰らす奇跡の御業よ!)Der deine Wunde duefte Schließen(汝の傷を塞いだ槍から、聖なる血が流出す)」

*1:ちなみに、何か事情が起こって、お知らせを受けた人が「バカな!」と叫ぶシーンがよく在りますが、東方人の場合は「それを理解したが認めたくない(そんな事あってたまるか!)」で西方人の場合は「本当に知らない(なに!!??)」というのが良くあるパタンらしいです。