補給物資、万葉集試訳

■補給物資

  • 大和岩雄 神々の考古学
  • 43mm 筯距鏡 2.0x

カバーは何故か以前友人とこでみたのと違います。


万葉集試訳

[萬葉集試譯]

0131 柿本朝臣人麻呂從石見國別妻上來時歌二首 并短歌。【時歌第ㄧ。】
 石見乃海 角乃浦迴乎 浦無等 人社見良目 滷無等【一云,礒無登。】 人社見良目 能咲八師 浦者無友 縱畫屋師 滷者無鞆【一云,礒者】 鯨魚取 海邊乎指而 和多豆乃 荒礒乃上爾 香青生 玉藻息津藻 朝羽振 風社依米 夕羽振流 浪社來緣 浪之共 彼緣此依 玉藻成 依宿之妹乎【一云,波之伎余思,妹之手本乎。】 露霜乃 置而之來者 此道乃 八十隈毎 萬段 顧為騰 彌遠爾 里者放奴 益高爾 山毛越來奴 夏草之 念思奈要而 志怒布良武 妹之門將見 靡此山
 石見海(いはみのうみ) 角浦迴(つののうらみ)を 浦無(うらな)しと 人(ひと)こそ見(み)らめ 潟無(かたな)しと【一云(なたにいふ),礒無(いそな)しと。】 人(ひと)こそ見(み)らめ 縱(よし)ゑやし 浦(うら)は無(な)くとも 縱(よし)ゑやし 潟(かた)は無(な)くとも【一云(またにいふ),礒(いそ)は。】 鯨魚取(いさなと)り 海邊(うみへ)を指(さ)して 熟田津(にきたづ)の 荒礒上(ありそのうへ)に か青(あを)く生(お)ふる 玉藻沖藻(たまもおきつも) 朝羽振(あさはふ)る 風(かざ)こそ寄(よ)せめ 夕羽振(ゆふはふ)る 波(なみ)こそ來寄(きよ)れ 波(なみ)の共(むた) か寄(よ)り如是寄(かくよ)り 玉藻(たまも)なす 寄寢(よりね)し妹(いも)を【一云(またはいふ),愛(は)しき良(よ)し,妹(いも)が手本(たもと)を。】 露霜(つゆしも)の 置(お)きてし來(く)れば 此道(このみち)の 八十隈每(やそくまごと)に 萬度(よろづたび) 返見(かへりみ)すれど 彌遠(いやとほ)に 里(さと)は離(さか)りぬ 彌高(いやたか)に 山(たま)も越來(こえき)ぬ 夏草(なつくさ)の 思萎(おもひしな)えて 偲(しの)ふらむ 妹(いも)が門見(かどみ)む 靡(なび)け此山(このやま)

 蔦這石見海 角地浦迴灣岸邊 若無浦岸者 人蓋有興觀之耶 若無潟岸者【一云,若無磯岸者。】 人蓋有興觀之耶 縱膻任隨矣 縱令彼地無浦岸 縱膻任隨矣 縱令彼地無潟岸【一云,縱令彼地無磯岸。】 鯨魚獵取兮 指岸而去向海邊 道後熟田津 荒礒之上岩岸邊 蒼翠茂繁漫生兮 玉藻也矣沖津藻 朝晨振羽拂 疾風吹兮寄來矣 夕暮振羽搏 駭浪湧兮寄來矣 相共與彼浪 寄矣如是寄來兮 如彼玉藻而 寄來相寢吾妹妻【一云,愛也令憐兮,妹妻上膊纖手腕。】 露凝霜降兮 吾置愛妻來此者 漫步此道間 每至諸曲八十隈 千度復萬度 迴首顧見觀故地 益遙更彌遠 吾離故里至于此 益險更彌高 吾越群山來于此 靡綯夏草兮 妹妻慕吾心念萎 慕吾佇家門 我亦欲見妹妻門 唯恨此山未靡平

柿本人麻呂 0131

「妻」,此指人麿任官石見國時之現地妻,雖律法禁止國司任命地方期間娶部內女子,然未嚴格執行。其妻蓋伊羅娘子。
「蔦這(つたは)ふ」,「石見」之枕詞。藤蔓攀「岩」而生,故以飾「石」。
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/intro/syuuji.html
「人こそ見らめ」,「人こそ見らむ」之逆接插入句。
「縱(よし)ゑやし」,即「ええままよ」,「まま」為「儘」「隨」「任」之意,是即「既然如此,順其自然」。
「鯨魚取(いさなと)り」,「海」之枕詞。
「か青(あを)く」,「か」為接頭語,用法類「か弱い」。
「羽振(はふ)る」,以搏羽之狀,形容海神引起「風吹」、「浪滔」之儔。
「波(なみ)の共(むた)」,「むた」為「與」、「共」之意。
「手本」,手首、手腕,或云上膊。
「露霜の」,「置」之枕詞。以「露」、「霜」降置為言。
「夏草の」,「萎」之枕詞。以草受烈日照萎而言。
「靡け此山」,此云高山阻擋愛妻之家門,希望夷平此山,得見嬌妻。

0132 反歌二首 【承前,反歌其一。】
 石見乃也 高角山之 木際從 我振袖乎 妹見都良武香
 石見(いはみ)のや 高角山(たかつのやま)の 木間(このま)より 我(あ)が振袖(ふるそで)を 妹見(いもみ)つらむか
 蔦這石見國 高角山之木際間 越彼林間隙 吾揮振袖惜別者 愛妻吾妹可見歟
柿本人麻呂 0132

此云作者揮袖惜別,雖為山林所阻,不知嬌妻可自林隙之間見得自身揮袖之姿。

0133 【承前,反歌其二。】
 小竹之葉者 三山毛清爾 亂友 吾者妹思 別來禮婆
 笹葉(ささのは)は 御山(みやま)も清(さや)に 騷(さや)げども 我(あれ)は妹思(いもおも)ふ 別來(わかれき)ぬれば
 山間笹葉者 風吹小竹發響鳴 此地雖騷騷 然吾執意無他念 一心思妻別來矣
柿本人麻呂 0133

此云山中竹葉為風吹鳴,沙沙作響,騷肅之氣令人情靡紊亂。然己一心思妹,別無他念。

0134 或本反歌曰 【承前,或本反歌。】
 石見爾有 高角山乃 木間從文 吾袂振乎 妹見監鴨
 石見(いはみ)なる 高角山(たかつのやま)の 木間(このま)ゆも 我(あ)が袖振(そでふ)るを 妹見(いもみ)けむかも
 蔦這石見國 自彼高角山林中 越彼木際間 吾揮振袖惜別者 愛妻可嘗見得哉
柿本人麻呂 0134

此歌意同132。

[萬葉集試譯]

0135 【承前,時歌第二。】
 角障經 石見之海乃 言佐敝久 辛乃埼有 伊久里爾曾 深海松生流 荒礒爾曾 玉藻者生流 玉藻成 靡寐之兒乎 深海松乃 深目手思騰 左宿夜者 幾毛不有 延都多乃 別之來者 肝向 心乎痛 念乍 顧為騰 大舟之 渡乃山之 黃葉乃 散之亂爾 妹袖 清爾毛不見 嬬隱有 屋上乃山【一云,室上山。】乃 自雲間 渡相月乃 雖惜 隱比來者 天傳 入日刺奴禮 大夫跡 念有吾毛 敷妙乃 衣袖者 通而沾奴

 蔦(つの)さ這(は)ふ 石見海(いはみのうみ)の 言騷(ことさへ)く 韓崎(からのさき)なる 海石(いくり)にそ 深海松生(ふかみるお)ふる 荒礒(ありそ)にそ 玉藻(たまも)は生(お)ふる 玉藻(たまも)なす 靡寢(なびきね)し兒(こ)を 深海松(ふかみる)の 深(ふか)めて思(おも)へど 小寢(さね)し夜(よ)は 幾許(いく)も有(あ)らず 延蔦(はふつた)の 別(わか)れし來(く)れば 肝向(きもむか)ふ 心(こころ)を痛(いた)み 思(おも)ひつつ 返見(かへりみ)すれど 大船(おほぶね)の 渡山(わたりのやま)の 黃葉(もみちば)の 散(ち)りの亂(まが)ひに 妹(いも)が袖(そで) 清(さや)にも見(み)えず 妻隱(つまごも)る 屋上山(やかみのやま)【一云(みたにいふ),室上山(むろかみやま)。】の 雲間(くもま)より 渡(わた)らふ月(つき)の 惜(を)しけども 隱(かく)らひ來(く)れば 天傳(あまづた)ふ 入日射(いりひさ)しぬれ 大夫(ますらを)と 思(おも)へる我(あれ)も 敷栲(しきたへ)の 衣袖(ころものそで)は 通(とほ)りて濡(ぬ)れぬ

 蔦蔓攀岩兮 蔦這石見國之海 言騷且喧雜 韓崎辛岬之所在 暗礁海石上 深海松藻生息焉 荒磯礒礁上 珠藻玉藻生息焉 一猶彼玉藻 臥身靡寢吾妻矣 吾雖念愛妻 其思邃如深海松 然顧相寢夜 寥寥可數莫幾許 延蔦枝岐兮 相別相分而來者 肝腑相向兮 吾心苦痛傷離情 如此沉憂思 迴首顧見望來處 大船湊渡兮 渡津之山葉黃變 黃葉俄遷落 零兮舞降散紛亂 故吾妻振袖 無以清見難晰賭 與妻相隱籠 其猶屋上山之巔【一云,其猶室上山之巔。】 自山上雲間 行渡大虛蔽月者 惋惜情難捨 其姿隱蔽不見時 天傳普照下 沒日餘暉今已盡 吾雖大丈夫 身雖壯士見此景 興感何能抑 白妙敷栲衣袖漬 涓然淚下濡裳濕
柿本人麻呂 0135

「蔦(つの)さ這(は)ふ」,「石見」之枕詞。
「言騷(ことさへ)く」,「韓」之枕詞。宿外國人言語不通,徒覺喧雜。韓者遍指朝鮮半島,或書「唐」、「辛」而廣指海外而言。
「深海松」,其乃棲息深海之海藻,「深」之枕詞。
「延蔦(はふつた)の」,以為蔦蔓延分歧,故為「別れ」之枕詞。
「肝向(きもむか)ふ」,「心」之枕詞。指心臟與肝臟相向。
「大船の」,「渡」之枕詞。渡山所在未詳,或云島根縣江津市渡津町附近。
「妻隱(つまごも)る」,「屋」之枕詞。取相籠家中共處之意。屋上山,有高仙山、八神山等說,室上山亦然。
「天傳(あまづた)ふ」,「日」之枕詞。「入日射(いりひさ)しぬれ」,夕陽沒日餘暉已盡。

0136 反歌二首 【承前,反歌其一。】
 青駒之 足搔乎速 雲居曾 妹之當乎 過而來計類【一云,當者,隱來計留。】
 青駒(あをこま)が 足搔(あがき)を速(はや)み 雲居(くるゐ)にそ 妹(いも)が邊(あたり)を 過(す)ぎて來(き)にける【一云(またにいふ),邊(あたり)は,隱來(かくりき)にける。】
  青駒千里馬 足騷且速馳且疾 遙遙雲居處 吾妻在所轉瞬過 來此已位九霄外【一云,吾妻在所轉瞬過 隱兮不見九霄外。】
柿本人麻呂 0136

此云青駒快馳,人雖念妻,轉瞬卻已奔過千里。「雲居」為修飾「遙遠」之詞。

0137 【承前,反歌其二。】
 秋山爾 落黃葉 須臾者 勿散亂曾 妹之當將見【一云,知里勿亂曾。】
 秋山(あきやま)に 落(お)つる黃葉(もみちば) 暫(しま)しくは 勿散亂(なちりまが)ひそ 妹(いも)が邊(あた)り見(み)む【一云(またにいふ),散(ち)り勿亂(なまが)ひそ。】
 蕭瑟秋山間 俄遷零落黃葉矣 願暫留稍時 還勿散亂紛吾目 吾仍欲見妻在所【一云,汝雖散兮莫紛亂。】
柿本人麻呂 0137

此願秋山黃葉莫散亂紛木,由己仍欲顧向妻方。