『英霊の聲』
「日本の敗れたるはよし
農地の改革せられたるはよし
社会主義的改革も行わるるがよし
わが祖国は敗れたれば
敗れたる負い目を悉く肩に荷うはよし
わが国民はよく負荷に耐え
試練をくぐりてなお力あり
屈辱を嘗めしはよし
抗すべからざる要求を潔く受け容れしはよし
されど,ただ一つ,ただ一つ
いかなる強制,いかなる弾圧
いかなる死の脅迫ありとも
陛下は人間なりと仰せらるべからざりし
世のそしり,人の侮りを受けつつ
ただ陛下御一人,神として御身を保たせ玉い
そを架空,そをいつわりとはゆめ宣わず
(たといみ心の裡深く,さなりと思すとも)
祭服に玉体を包み,夜昼おぼろげに
宮中賢所のなお奥深く
皇祖皇宗のおんみたまの前にぬかづき
神のおんために死したる者らの霊を祭りてただ斎き,ただ祈りてましまさば
何ほどか尊かりしならん
などてすめろぎは人となりたまいし。
などてすめろぎは人となりたまいし。
などてすめろぎは人となりたまいし」