AVALON


孤独とは要するにイヌのいないキッチンに残されたペットフードの容器に他ならないのだ、と。それこそ孤独であって、これ以上に孤独的確なかたちを与えるものはない。
ガブはいない。が、その容器を片づける気にはなれなかった。容器を片づけることはガブの不在を決定づけることであるような気がした。それが耐えられなかった。したがって容器は空っぽのままキッチンの床に残された。いつまでも......
多分、そこに盛りつけられているのはペットフードではなしに孤独なのだ。ペットフードは腐るが孤独は腐ることがない。いつだって新鮮なままに鋭い臭いを放っている。そうであれば人はついに孤独を忘れることはできない。孤独はいつもそこにある。

イノセンス After the Long Goodbyeより

このところ、どうしてもAVALONのあのシーンを思い出した。
AVALONは、あの壯大、いや、壯絶と言うべきG.R.M.の縮小版の押井守監督実写作品です。
私が大学入るばっかり、食事を削って限定版DVDを買った事が覚えてます。
ですが、設定集はまだ手に入れない、今は注文しても来ないのはまだ未練があります。
そういえば、あの時は食事を削りすぎで病院沙汰までなりましたもあの頃だった(汗)。
いくら欲しいものが手に入れたいとしても、良いこの皆さんは真似しちゃいけないですよ!
でもね、あまりゲーム(特にネットゲー)をやってない私は、AVALONには理解できないところが一杯あります。
その後、小説版(映画版の後話)を読んで、ようやく何となく理解が出来る事になります。
でも、やっぱりまだ判らない処があると思います、折角買ったDVDをただに済むつもりがありません。
そのため、今でも時々関連な情報を集めています。


ですから、AVALONと殆ど一致のこの章節を、どうしても気に入ります。
AVALONの絵コンテを調べると、やっぱりAfter the Long Goodbyeとの一致はそれだけではありません。
After the Long Goodbyeでは、カブが失った原因は、バトーが電子脳をリセットであるから。
電子脳をリセットしても、バックアップがあれば再インストールができる。
でもやっぱりその時は決定性の何が失っている、魂(ソウル)なのか、ゴーストなのか?
カブがバトーが失ったものを判るから、探しに行ったのだ、と小説はそう言っていた。


面白いのは、アッシュの犬がいなくなった時も、アッシュがAVALONでリセットをしたばっかりのことでした。
ゲームであるはずのAVALON、そこでのリセットは一時の不調以外なにもないはずだったのですが、
やっぱりアッシュも何が失っていた、アッシュの何かがAVALONで眠っていて戻らなくなります。
もちろん、AVALONそのものは現実と擬似体験を区別したくないのがわかります。
でも、それでもやっぱりあの時はまだ犬の失ったがアッシュのリセットと関わるだと判らなかった。
それはただの「現実と擬似体験の区別におけるカオス化」だと思いました。


事象に惑わされるな...ここが、おまえの真実(フィールド)だ!
とマーフィーの最後の言葉、やっぱりイノセンスの小説を読了した後を考え直しなければならないと予感します。

また、アッシュが失った何かはAVALONにある上に、彼女の犬もAVALONのクラスリアルにいる以上、
このところで何があるなのは言うまでもないと思います。