忍び恋

■忍び恋

恋の至極は忍恋と見立て候。逢ひてからは恋のたけが低し、一生忍んで思ひ死する事こそ恋の本意なれ。(『葉隠』より)

「死狂ひ」はあまりも有名過ぎるゆえ、あえて忍恋を書きます。BGMに藤乃静留「片恋艶花」。

ただいま三島由紀夫葉隠入門』を拝読しています。
葉隠』はなかなか面白い書物でした。なるほど「鍋島論語」と言われます。
色々と情熱的話が窺えます。しかも前後矛盾も少なくないという一点も注意すべきでしょう。
ここで前後矛盾だからって戯言というわけではありません、むしろそこは葉隠の真価でありましょう。
年を重ねてきて、真実は唯一ではない、と体感しつづあります。

どころで、原文は所謂「候文」で書かれたわけで、読めないわけではありませんが、
候文苦手な私として読むにはかなり不親切なところがあります。
そろそろ候文を真面目に勉強しないといけませんね。

毎日、候マンさんの日記を読むべし。*1
http://d.hatena.ne.jp/souroumann/
まぁ、候文と言っても色々種類があります、
私的には候マンさんの候文は読みやすい部類だと思います



■読了

クトゥルー (3) (暗黒神話大系シリーズ)

クトゥルー (3) (暗黒神話大系シリーズ)

カルコサシリーズの二作、ラブクラフト以外の作品が神話成形の遡るルーツを見証する「カルコサの民」、「黄色の印」。
邪悪の真実をクリスタルが如く綺麗言葉でかかれたところが面白かったです。
スミスの「彼方からのもの」は普通にクトゥルー神話っぽいですが、
「妖術師の帰還」が『ネクロノミコン』の原本なる『アル・アジフ』まで持ち出して、何か重要なものでも書かれたのかと思ったら、
太古の秘密と関係なく、普通の呪術になってしまい、役不足な気がしています。
それなら『アル・アジフ』じゃなくてカイアス訳ラテン語版以前の『エイボンの書』にしたって構わないと思います。
「邪神の足音」は如何にも発案他人添銷ダーレスって感じ、但し別に悪くありません。
「暗黒ファラオ神殿」は面白かった、「無人の家で発見した手記」と同じくロバートの作品でした。
ダーレスの「サンドウィン館の怪」と「丘の夜鶯」がまったく同じオチの作品が同書に収録されて、
芸の無い印象が薄々受けられます、なんか編集にダーレスに対する悪意が窺えると思うのは私だけでしょうか
「銀の鍵の門を越えて」お最初はまぁまlと思って、途中から面白くなって、終わるところでオチを予想したものの面白かった。流石ラブクラフトと言いますがね。


■『ネクロノミコン』翻訳序説
http://d.hatena.ne.jp/asahi-arkham/20100216/1266381396

*1:と書いたらブログ休止だったと...残念極まりです。