補給物資、万葉集試訳

■補給物資

  • 神社百景DVDコレクション 39号 日吉大社
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万葉集試訳

2036 【承前,九八卌一。】
 吾待之 秋者來沼 妹與吾 何事在曾 紐不解在牟
 我(あ)が待(ま)ちし 秋(あき)は來(きた)りぬ 妹(いも)と我(あれ)と 何事有(なにことあ)れそ 紐解(ひもと)かずあらむ
 吾人所引領 久盼秋日七夕臨 無論妹與我 縱令此身遭何事 不解衣紐待逢時
佚名 2036

「妹(いも)と我(あれ)と」,凡並置「妹、我」者,必取「妹(いも)と我(あれ)と」之形,『催馬樂』婦與我、『古今集』神遊等例可證之。


2037 【承前,九八卌二。】
 年之戀 今夜盡而 明日從者 如常哉 吾戀居牟
 年戀(としのこひ) 今夜盡(こよひつ)くして 明日(あす)よりは 常如(つねのごと)くや 我(あ)が戀居(こひを)らむ
 久別離一年 相思之苦今夜解 自於明日起 吾倆如常隔一水 復苦相思咽泣涕
佚名 2037

「年戀(としのこひ)」,一年之間所堆積之憂思。
「今夜盡(こよひつ)くして」,「盡」乃緩解之意。

2038 【承前,九八卌三。】
 不合者 氣長物乎 天漢 隔又哉 吾戀將居
 逢(あ)は無(な)くは 日長(けなが)き物(もの)を 天川(あまのがは) 隔(へだ)てて亦(また)や 我(あ)が戀居(こひを)らむ
 盈盈一水間 相隔兩岸不得逢 離時愁日長 銀漢天川去幾許 復苦相思不得語
佚名 2038

「逢(あ)は無(な)くは 日長(けなが)き物(もの)を」,別離之時,倍感日子難度。與春宵夜短相對。

2039 【承前,九八卌四。】
 戀家口 氣長物乎 可合有 夕谷君之 不來益有良武
 戀(こひ)しけく 日長(けなが)き物(もの)を 逢(あ)ふべかる 夕(よひ)だに君(きみ)が 來坐(きま)さざるらむ
 隔離苦相思 戀慕伊人日久長 此為當逢夕 何以吾君良人矣 仍未來坐在何方
佚名 2039

「戀(こひ)しけく 日長(けなが)き物(もの)を」,「戀しけく」乃「戀し」之く句法。
「逢(あ)ふべかる」,「べかる」乃「べくある」之略。
「夕(よひ)だに君(きみ)が」,「だに」有至少之意,此句以下省略「何しかも」等疑問副詞之類。
織女久待牛郎,擔心其是否不來訪之曲。

2040 【承前,九八卌五。】
 牽牛 與織女 今夜相 天漢門爾 浪立勿謹
 彥星(ひこほし)と 織女(たなばたつめ)と 今夜逢(こよひあ)ふ 天川門(あまのかはと)に 波立(なみた)つ勿努(なゆめ)
 牛郎彥星與 棚雞織女隔銀漢 今夜將相逢 還願銀河天川門 莫起波濤湧駭浪
佚名 2040

「天川門(あまのかはと)に」,銀河之徒步涉水點。本曲想像非以渡船而以涉水而來。
「波立(なみた)つ勿努(なゆめ)」,「努(ゆめ)」多配合否定詞而用於禁止表現。

2041 【承前,九八卌六。】
 秋風 吹漂蕩 白雲者 織女之 天津領巾毳
 秋風(あきかぜ)の 吹漂(ふきただよ)はす 白雲(しらくも)は 織女(たなばたつめ)の 天領巾哉(あまつひれ)かも
 蕭瑟秋風之 所吹漂蕩白雲者 蓋為織機女 惜別揮舞送良人 六銖天之領巾哉
佚名 2041

天領巾哉(あまつひれ)かも」,領巾乃女性披於肩上之裝飾用細布。自古以為其有咒力之側面。此以白雲看過織女之領巾而言。

2042 【承前,九八卌七。】
 數裳 相不見君矣 天漢 舟出速為 夜不深間
 數數(しばしば)も 相見(あひみ)ぬ君(きみ)を 天川(あまのがは) 舟出早(ふなではや)せよ 夜更(よのふ)けぬ間(ま)に
 屢屢隔一水 迢迢不得與君逢 銀漢天之川 速出浮舟泛水上 在此良宵未深前
佚名 2042

「相見(あひみ)ぬ君(きみ)を」,「を」於此多為逆接用法,然其下接命令句型,故或為順接。

2043 【承前,九八卌八。】
 秋風之 清夕 天漢 舟滂度 月人壯子
 秋風(あきかぜ)の 清夕(きよきゆふへ)に 天川(あまのがは) 舟漕渡(ふねこぎわた)る 月人壯士(つきひとをとこ)
 秋風吹瑟瑟 清涼蕭蕭此夕間 銀河天之川 榜船翩翩渡大虛 明晰月人壯士矣
佚名 2043

「舟漕渡(ふねこぎわた)る 月人壯士(つきひとをとこ)」,以膻渡夜空之名月比作穿越銀河之扁舟。

2044 【承前,九八卌九。】
 天漢 霧立度 牽牛之 楫音所聞 夜深徃
 天川(あまのがは) 霧立渡(きりたちわた)り 彥星(ひこほし)の 楫音聞(かぢのおときこ)ゆ 夜更行(よのふけゆ)けば
 銀河天之川 水霧瀰漫籠一面 牛郎彥星之 榜舟楫音聲可聞 隨此七夕夜更者
佚名 2044

「天川(あまのがは) 霧立渡(きりたちわた)り」,俗信以為夜霧乃訪妻之男子划槳所生。

2045 【承前,九八五十。】
 君舟 今滂來良之 天漢 霧立度 此川荑
 君(きみ)が舟(ふね) 今漕來(いまこぎく)らし 天川(あまのがは) 霧立渡(きりたちわた)る 此川荑(このかはのせ)に
 朝思慕所想 君舟今蓋榜來哉 銀河天之川 水霧瀰漫起一面 湧立籠兮此川荑
佚名 2045

「此川荑(このかはのせ)に」,「此」指離發言者較近之處,站在織女立場所詠。

2046 【承前,九八五一。】
 秋風爾 河浪起 蹔 八十舟津 三舟停
 秋風(あきかぜ)に 川波立(かはなみた)ちぬ 暫(しまし)くは 八十舟津(やそのふなつ)に 御舟留(みふねとど)めよ
 秋風吹瑟瑟 川波洶湧駭浪起 還願暫駐足 至於八十舟津處 稍泊御船待風凪
佚名 2046

「暫(しまし)くは」,「暫(しば)し」之古形。
「八十舟津(やそのふなつ)に」,眾多舟船所停泊之港口。

2047 【承前,九八五二。】
 天漢 河聲清之 牽牛之 秋滂船之 浪𨅶香
 天川(あまのがは) 川音清(かはのおときよ)し 彥星(ひこほし)の 秋漕舟(あきこぐふね)の 波騷(なみのさわ)きか
 銀漢天之川 河音清茢響淙淙 蓋以牛郎之 秋日七夕滂船故 浪湧波音遂起哉
佚名 2047

「川音清(かはのおときよ)し」,「清(きよ)し」表「清茢」,「清(さわ)き」表清爽,稍有不同。
「波騷(なみのさわ)きか」,原文「𨅶」與「躁」同。

2048 【承前,九八五三。】
 天漢 河門立 吾戀之 君來奈里 紐解待【一云,天河,川向立。】
 天川(あまのがは) 川門(かはと)に立(た)ちて 我(あ)が戀(こひ)し 君來坐(きみきま)すなり 紐解待(ひもときま)たむ【一云(またにいふ)、天川(あまのがは)、川(かは)に向立(むきたち)。】
 銀漢天之川 立於河門越渡場 朝思慕所想 吾之所戀君將來 汲汲解紐以相待【一云,銀漢天之川,面其川水立河岸。】
佚名 2048

「川門(かはと)」,與「天川門」同,水口。對水邊住民而言,乃是汲水、洗濯,以及踏石渡水至對岸之要衝。
「君來坐(きみきま)すなり」,「なり」乃傳聞推定,蓋聞梶音而做此推想。
「紐解待(ひもときま)たむ」,此乃織女之動作。
類歌1518。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1518

2049 【承前,九八五四。】
 天漢 河門座而 年月 戀來君 今夜會可母
 天川(あまのがは) 川門(かはと)に居(を)りて 年月(としつき)を 戀來(こひこ)し君(きみ)に 今夜逢(こよひあ)へるかも
 銀漢天之川 立於河門越渡場 日積月累兮 年間懸心所戀慕 吾君將來逢今宵
佚名 2049

「戀來(こひこ)し君(きみ)に」,主語乃織女。「來(く)し」乃時間之用法。

2050 【承前,九八五五。】
 明日從者 吾玉床乎 打拂 公常不宿 孤可母寐
 明日(あす)よりは 我(あ)が玉床(たまどこ)を 打掃(うちはら)ひ 君(きみ)と寐(い)ねずて 獨(ひとり)かも寢(ね)む
 自於明日起 吾之香閨玉床矣 打拂去塵埃 不得與君共纏綿 唯有隻身孤寢哉
佚名 2050

「我(あ)が玉床(たまどこ)を 打掃(うちはら)ひ」,玉乃美稱之接頭語。同樣是拍拭灰塵,然1629、2667為歡欣等待男子來訪之準備,此則哀嘆將迎向相隔兩地之空閨。

2051 【承前,九八五六。】
 天原 徃射跡 白檀 挽而隱在 月人壯子
 天原(あまのはら) 行(ゆ)きて射(い)てむと 白真弓(しらまゆみ) 引(ひ)きて隱(こも)れる 月人壯士(つきひとをとこ)
 羨煞復心嫉 欲指度射高天原 手執白真弓 引弦隱在山之端 七夕月人壯士矣
佚名 2051

「行(ゆ)きて射(い)てむと」,原文「徃射跡」,或訓「行(ゆ)きてや射(い)ると」,有諸說。蓋指明月嫉妒牛郎、織女之逢晤,而欲妨礙之擬人表現。
「白真弓(しらまゆみ)」,白木之弓,於此亦比喻月光白皙。
「引(ひ)きて隱(こも)れる」,七夕之夜,月沉於山端。

2052 【承前,九八五七。】
 此夕 零來雨者 男星之 早滂船之 賀伊乃散鴨
 此夕(このゆふへ) 降來(ふりく)る雨(あめ)は 彥星(ひこほし)の 早漕(はやこ)ぐ舟(ふね)の 櫂散(かいのち)り哉(かも)
 在於此七夕 零來雨者何為也 蓋世牛郎之 迫不及待早滂舟 船櫂零散水沫矣
佚名 2052

「降來(ふりく)る雨(あめ)は」,身居地上見天上雨零,想像七夕銀河上會晤之狀。
「早漕(はやこ)ぐ舟(ふね)の」,早為急切之狀。

2053 【承前,九八五八。】
 天漢 八十荑霧合 男星之 時待船 今滂良之
 天川(あまのがは) 八十荑霧(やそせきら)へり 彥星(ひこほし)の 時待(ときま)つ舟(ふね)は 今(いま)し漕(こ)ぐらし
 銀漢天之川 八十河荑霧瀰漫 當是牛郎之 蓄勢久待七夕臨 時舟發向今滂哉
佚名 2053

「八十荑霧(やそせきら)へり」,「霧(き)る」之連用持續形。
「時待(ときま)つ舟(ふね)は」,等待一年一度之逢晤而常備之船。

2054 【承前,九八五九。】
 風吹而 河浪起 引船丹 度裳來 夜不降間爾
 風吹(かぜふ)きて 川波立(かはなみた)ちぬ 引船(ひきふね)に 渡(わた)りも來坐(きま)せ 夜更(よのふ)けぬ間(ま)に
 風吹捲川波 駭浪濤天水象險 縱令引綱牽 冀速使船渡來矣 在於良宵未更間
佚名 2054

「引船(ひきふね)に」,航行困難時,以綱繩牽引以令行舟前進。
「渡(わた)りも來坐(きま)せ」,「も」乃「でも」,即便...也要。用於命令、希求之語句。

2055 【承前,九八六十。】
 天河 遠渡者 無友 公之舟出者 年爾社候
 天川(あまのがは) 遠渡(とほきわた)りは 無(な)けれども 君(きみ)が舟出(ふなで)は 年(とし)にこそ待(ま)て
 銀漢清且淺 相去不遠復幾許 盈盈一水間 何以待君出舟者 苦俟經年難相會
佚名 2055

「遠渡(とほきわた)りは 無(な)けれども」,此云銀河幅狹,無遠渡之處。(何以每次皆要一年方得再會。)
「年(とし)にこそ待(ま)て」,「年(とし)に」表耗時一年。

2056 【承前,九八六一。】
 天漢 打橋度 妹之家道 不止通 時不待友
 天川(あまのがは) 打橋渡(うちはしわた)せ 妹(いも)が家道(いへぢ) 止(や)まず通(かよ)はむ 時待(ときま)たずとも
 銀漢天之川 可設假橋令度哉 若能得此者 妹妻家道通不止 縱令時未值七夕
佚名 2056

「打橋渡(うちはしわた)せ」,假設語氣。若能搭設臨時之假橋,便不需等到七夕方能相會。牛郎對織女呼籲之語氣。