新年明けましておめでとうございます!

■新年明けましておめでとうございます!


新年明けましておめでとうございます!
また、一年過ごしました。
台湾に帰任してから、江の島、東国三社・大洗酒列両磯前神社、またアメリカにも初進出させて頂きました。
ホームページの方は、『万葉集』の中国語訳をしつづ、『風土記』のリニューアルも進んでいます。
願念の『Dies Irae』アニメ化なんですが、不満こそ色々ありますが、来年7月残りの一挙配信がちゃんといい出来になれるように......






万葉集試訳

2057 【承前,九八六二。】
 月累 吾思妹 會夜者 今之七夕 續巨勢奴鴨
 月重(つきかさ)ね 我(あ)が思妹(おもふいも)に 逢(あ)へる夜(よ)は 今(いま)し七夜(ななよ)を 繼(つ)ぎこせぬ哉(かも)
 累月將經年 與吾朝思夜所慕 妹妻逢夜者 可自今宵復七夜 纏綿相繼共枕哉
佚名 2057

「今(いま)し七夜(ななよ)を」,「今し」以表示更加之副詞修飾「今」,更連接表數量之語法。顯示難以滿足一夜之逢荑,希望能延長相會之時限。
「繼(つ)ぎこせぬ哉(かも)」,「こせ」為索求語句。

2058 【承前,九八六三。】
 年丹裝 吾舟滂 天河 風者吹友 浪立勿忌
 年(とし)に裝(よそ)ふ 我(わ)が舟漕(ふねこ)がむ 天川(あまのがは) 風(かぜ)は吹(ふ)くとも 波立(なみた)つ勿努(なゆめ)
 耗時計一年 吾所備舟今將榜 銀漢天之川 縱令風吹狂嵐起 莫捲波濤湧駭浪
佚名 2058

「年(とし)に裝(よそ)ふ」,「裝ふ」表事前準備。包括服裝、食膳,此則概指艤装。4430有「難波津に 裝ひ裝ひて」之語。

2059 【承前,九八六四。】
 天河 浪者立友 吾舟者 率滂出 夜之不深間爾
 天川(あまのがは) 波(なみ)は立(た)つとも 我(わ)が舟(ふね)は 去來漕出(いざこぎいで)む 夜更(よのふ)けぬ間(ま)に
 銀漢天之川 縱令駭浪水象險 吾不顧身危 去來榜出發船向 趕在夜之未更間
佚名 2059

「波(なみ)は立(た)つとも」,前曲有「風(かぜ)は吹(ふ)くとも 波立(なみた)つ勿努(なゆめ)」之句,本歌則在假定波濤已起之前提。
「去來漕出(いざこぎいで)む」,「去來(いざ)」或稱「率」,漢文俗語。此歌用於自身行動之上。


2060 【承前,九八六五。】
 直今夜 相有兒等爾 事問母 未為而 左夜曾明二來
 只今夜(ただこよひ) 逢(あ)ひたる兒等(こら)に 言問(ことど)ひも 未為(いまだせ)ずして 小夜(さよ)そ明(あ)けにける
 冗冗一年間 唯在今宵可逢晤 親親吾妻矣 未為言問相語間 小夜將盡欲天明
佚名 2060

「言問(ことど)ひも 未為(いまだせ)ずして」,與『古今和歌集』1015「睦言も 未だ盡き無くに 明けぬめり」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kokin/kk19.htm#1015 同趣。

2061 【承前,九八六六。】
 天河 白浪高 吾戀 公之舟出者 今為下
 天川(あまのがは) 白波高(しらなみたか)し 我(あ)が戀(こ)ふる 君(きみ)が舟出(ふなで)は 今(いま)しすらしも
 銀漢天之川 河間白浪波湧高 蓋是吾所戀 朝思暮想所念君 出舟發向在於今
佚名 2061

「白波高(しらなみたか)し」,此句多用於水象急險,不適航行之天候,本歌則將波滔視作牛郎划槳所致。

2062 【承前,九八六七。】
 機 踏木持徃而 天漢 打橋度 公之來為
 機物(はたもの)の 踏木持行(ふみきもちゆ)きて 天川(あまのがは) 打橋渡(うちはしわた)す 君(きみ)が來(こ)む為(ため)
 欲取織機之 踏木奔赴向銀河 相隔一水間 奉為朝思暮所戀 渡假橋來吾君矣
佚名 2062

「機物(はたもの)の」,織機,或隱申為織物。
以織機之踏板,比作渡河之架橋所詠。

2063 【承前,九八六八。】
 天漢 霧立上 棚幡乃 雲衣能 飄袖鴨
 天川(あまのがは) 霧立上(きりたちのぼ)る 織女(たなばた)の 雲衣(くものころも)の 反(かへ)る袖(そで)かも
 仰望天之川 銀漢霧湧罩朦朧 蓋是織女之 身襲霓裳綵雲衣 揮舞飄袖所致矣
佚名 2063

「織女(たなばた)」,「織女(たなばたつめ)」之略。
「雲衣(くものころも)の」,七夕漢詩中「雲衣」之譯語。以騰雲比喻織女羽衣之表現。

2064 【承前,九八六九。】
 古 織義之八多乎 此暮 衣縫而 君待吾乎
 古(いにしへ)に 織(お)りてし服(はた)を 此夕(このゆふへ) 衣(ころも)に縫(ぬ)ひて 君待(きみま)つ我(あれ)を
 手執夙昔時 所織和妙絹縷布 在於此夕暮 裁切些縫紉作仙衣 所待良人妾身矣
佚名 2064

「織(お)りてし服(はた)を」,「服(はた)」指由「織機(はた)」所編織之布料。原文「義之(てし)」乃藉書法家王羲之而為「手詩(てし)」之借訓。

2065 【承前,九八七十。】
 足玉母 手珠毛由良爾 織旗乎 公之御衣爾 縫將堪可聞
 足玉(あしだま)も 手玉(ただま)も玲瓏(ゆら)に 織(お)る服(はた)を 君(きみ)が御衣(みけし)に 縫(ぬ)ひも堪(あ)へむ哉(かも)
 懸命操織機 足玉手珠響鈴龍 所織絹縷布 可於七夕相逢前 縫作吾君御衣哉
佚名 2065

「足玉(あしだま)も 手玉(ただま)も玲瓏(ゆら)に」,足玉、手玉為裝飾於手足之珠玉。「玲瓏(ゆら)」乃玉石或鈴鐺碰撞發出之聲響。
「御衣(みけし)」,「けし」乃「著(き)る」之敬語形轉化之名詞態。
「縫(ぬ)ひも堪(あ)へむ哉(かも)」,可在七夕之前縫紉完成嗎?

2066 【承前,九八七一。】
 擇月日 逢義之有者 別乃 惜有君者 明日副裳欲得
 月日選(つきひえ)り 逢(あ)ひてしあれば 別(わか)れまく 惜(を)しかる君(きみ)は 明日(あす)さへも欲得(がも)
  年每擇月日 久分逢於七夕者 每思兩相別 離情依依惜君去 欲得明日仍同在
佚名 2066

「月日選(つきひえ)り」,一年之間特別定下此七夕之日。
「惜(を)しかる君(きみ)」,「惜(を)しくある君(きみ)」之略。
「明日(あす)さへも欲得(がも)」,明日只七夕之後的八日。

2067 【承前,九八七二。】
 天漢 渡荑深彌 泛船而 棹來君之 楫音所聞
 天川(あまのがは) 渡荑深(わたりぜふか)み 舟浮(ふねう)けて 漕來(こぎく)る君(きみ)が 梶音聞(かぢのおとき)こゆ
 銀漢天之川 渡荑深邃或千尋 浮舟泛河而 榜來相會吾君之 牛郎楫音聲可聞
佚名 2067

「渡荑深(わたりぜふか)み」,渡荑表徒步涉水之淺荑。此以其水深,必須渡船而來。

2068 【承前,九八七三。】
 天原 振放見者 天漢 霧立渡 公者來良志
 天原(あまのはら) 降放見(ふりさけみ)れば 天川(あまのがは) 霧立渡(きりたちわた)る 君(きみ)は來(き)ぬらし
 久方高天原 翹首遙望騁思者 銀漢天之川 河上霧湧瀰一面 牛郎越渡榜船來
佚名 2068

天原(あまのはら) 降放見(ふりさけみ)れば」,站在地上仰望星空,想像織女心象之所作。前文站在旁觀者立場,後句「君(きみ)は來(き)ぬらし」則為織女視點。

2069 【承前,九八七四。】
 天漢 荑每幣 奉 情者君乎 幸來座跡
 天川(あまのがは) 荑每(せごと)に幣(ぬさ)を 奉(たてまつ)る 心(こころ)は君(きみ)を 幸(さき)く來坐(きま)せと
 銀漢天之川 妾在所所河荑邊 奉幣求冥貺 所以不辭此心者 願君無恙幸來渡
佚名 2069

「荑每(せごと)に幣(ぬさ)を」,「幣(ぬさ)」乃祭神時所奉獻之品物。多有留守家中,祈求親人旅途安全而貢獻木棉、麻布之例。

2070 【承前,九八七五。】
 久堅之 天河津爾 舟泛而 君待夜等者 不明毛有寐鹿
 久方(ひさかた)の 天川津(あまのかはづ)に 舟浮(ふねう)けて 君待(きみま)つ夜等(よら)は 明(あ)けずも有(あ)らぬか
 遙遙久方兮 天漢銀河川津邊 浮舟欲相迎 忐忑待君此夜者 還願良宵永不明
佚名 2070

「天川津(あまのかはづ)に 舟浮(ふねう)けて」,此舟指織女難忍枯等牛郎,遂出船相迎。
「君待(きみま)つ夜等(よら)は」,「ら」乃調整音律所用之接尾語。
「明(あ)けずも有(あ)らぬか」,「ぬか」表希求。

2071 【承前,九八七六。】
 天河 足沾渡 君之手毛 未枕者 夜之深去良久
 天川(あまのがは) 滯渡(なづさひわた)る 君(きみ)が手(て)も 未枕(いまだま)かねば 夜更(よのふ)けぬらく
 銀河天之川 辛勞跋涉方越渡 相逢不幾時 未枕君手共纏綿 更恨夜之速深去
佚名 2071

「滯渡(なづさひわた)る」,「滯(なづさ)」表受水阻礙難以前進。原文「足沾」為義訓表現。主語為織女。
「未枕(いまだま)かねば」,「ねば」乃尚未...之間。中國七夕詩以及日本懷風藻採女性來訪之說。萬葉集則多為男性來訪。

2072 【承前,九八七七。】
 渡守 船度世乎跡 呼音之 不至者疑 梶聲之不為
 渡守(わたりもり) 舟渡(ふねわた)せをと 呼聲(よぶこゑ)の 至(いた)らねばかも 楫音為(かぢのおとのせ)ぬ
 船頭渡守矣 蓋是吾人所嘶喊 將欲承舟渡 呼聲不至未聞哉 梶聲不為楫音杳
佚名 2072

「渡守(わたりもり)」,渡場之戍人兼船頭。
牛郎呼喊船頭之曲。假設銀河有渡口之作,亦見於『萬葉集』2077、2081,『古今集』174等。

2073 【承前,九八七八。】
 真氣長 河向立 有之袖 今夜卷跡 念之吉紗
 真日長(まけなが)く 川(かは)に向立(むきた)ち 在(あり)し袖(そで) 今夜卷(こよひまか)むと 思(おも)はくが良(よ)さ
 相對一水間 揮振對岸日久之 吾妻衣袖矣 故思今夜將枕之 不覺心愉喜難耐
佚名 2073

「真日長(まけなが)く」,「真(ま)」乃接頭語,「日(け)」表日數。
「川(かは)に向立(むきた)ち 在(あり)し袖(そで)」,昔日織女在銀河對岸揮舞之衣袖。

2074 【承前,九八七九。】
 天河 渡湍每 思乍 來之雲知師 逢有久念者
 天川(あまのがは) 渡荑每(わたりぜごと)に 思(おも)ひつつ 來(こ)しくも著(しる)し 逢(あ)へらく思(おも)へば
 銀河天之川 所所渡荑含百感 心繫伊人姿 跋涉而來不辭勞 念其得逢無所憾
佚名 2074

「渡荑每(わたりぜごと)に」,假設銀河有數多淺荑,跋涉各各淺荑而來。
「思(おも)ひつつ」,此「思ひ」乃「愛(いと)しい」之意。
「來(こ)しくも著(しる)し」,「著(しる)し」表現果顯著,努力有其價值、回報。
描寫牛郎終於渡河與織女一會之曲。