補給物資、万葉集試訳

■補給物資


万葉集試訳

0631 湯原王贈娘子歌二首 【志貴皇子之子也。】
 宇波弊無 物可聞人者 然許 遠家路乎 令還念者
 表邊無(うはへな)き 物(もの)かも人(ひと)は 如此許(かくばか)り 遠(とほ)き家道(いへぢ)を 歸(かへ)さく思(おも)へば
 汝命甚絕情 表邊情面亦不留 吾步家道來 其路甚遠如此許 汝竟不留欲令還
湯原王 0631

「表邊無(うはへな)き」,未詳。按語意解,則為「連表面之情意亦無。」
「歸(かへ)さく思(おも)へば」,此云對方無情,己身道遠而來,竟欲送客令歸。

0632 【承前,第二。】
 目二破見而 手二破不所取 月內之 楓如 妹乎奈何責
 目(め)には見(み)て 手(て)には取(と)らえぬ 月內(つきのうち)の 桂(かつら)の如(ごと)き 妹(いも)を奈何(いか)にせむ
 遠觀目可見 然手無由不得取 其猶皎月內 虛渺月桂之所如 窈窕吾妹當奈何
湯原王 0632

「月內(つきのうち)の 桂(かつら)」,中華古俗以為月中有桂樹。如『初學記』所引「安天論」。原文「楓」字按『和名抄』為「雄桂(をかつら)」,桂乃「雌桂(めかつら)」。
伊勢物語』七十三段有類歌「目には見て 手には取られぬ 月內の 桂の如き 君にぞありける」。

0633 娘子報贈歌二首 【承前,報歌第一。】
 幾許 思異目鴨 敷細之 枕片去 夢所見來之
 幾許(いかばか)り 思(おも)ひけめ哉(かも) 敷栲(しきたへ)の 枕片去(まくらかたさ)る 夢(いめ)に見(み)え來(け)る
 慕情難釋懷 所念深深深幾許 敷栲白細兮 空枕徬置孤寢夜 夢見汝命會邯鄲
娘子 0633

「幾許(いかばか)り」,(思念)深邃如此。
「敷栲(しきたへ)の」,枕之枕詞。
「枕片去(まくらかたさ)る 夢(いめ)に見(み)え來(け)る」,此云雖然戀人不在身旁,亦如戀人相伴時將其枕置於同床而眠,復於夢中見得戀人。

0634 【承前,報歌第二。】
 家二四手 雖見不飽乎 草枕 客毛妻與 有之乏左
 家(いへ)にして 見(み)れど飽(あ)かぬを 草枕(くさまくら) 旅(たび)にも妻(つま)と あるが羨(とも)しさ
 居家在鄉者 相看百見兩不厭 草枕他鄉兮 羈旅異地仍相伴 望之和睦令人羨
娘子 0634

「家(いへ)にして 見(み)れど飽(あ)かぬを」,家相對於旅而言,敘述關乎夫婦之社會概念。を乃逆接。
「旅(たび)にも妻(つま)と あるが羨(とも)しさ」,此云湯原王召其妻來任地,而娘子(湯原王於當地之愛妾)見其夫婦相睦而羨之。

0635 湯原王亦贈歌二首 【承前。】
 草枕 客者嬬者 雖率有 匣內之 珠社所念
 草枕(くさまくら) 旅(たび)には妻(つま)は 率(ゐ)たれども 櫛笥內(くしげのうち)の 玉(たま)こそ思(おも)ほゆれ
 草枕在異地 羈旅他鄉雖率妻 相伴不相離 實則時時眷汝命 櫛笥中玉更所念
湯原王 0635

「率(ゐ)たれども」,「率る」乃率引伴隨之意。
「櫛笥內(くしげのうち)の 玉(たま)」,重視深愛之女性之比喻,此指娘子為言。『昭明文選』石崇「王明君辭」有「匣中玉」云云。
本詩承前曲娘子(湯原王在任地之愛妾)見到湯原王召正妻來此,感到羨恨之歌,本曲乃「雖然現於外地仍率妻同處,然心中掛念的則為珍藏珠匣中不令人視之寶玉(妾)。」

0636 【承前,第二。】
 余衣 形見爾奉 布細之 枕不離 卷而左宿座
 我(あ)が衣(ころも) 形見(かたみ)に奉(まつ)る 敷栲(しきたへ)の 枕(まくら)を放(さ)けず 卷(ま)きて小寢(さね)ませ
 余衣為緣物 贈以汝命以為信 敷栲白細兮 枕邊置之莫相離 纏身安寢如相伴
湯原王 0636

「我(あ)が衣(ころも) 形見(かたみ)に奉(まつ)る」,將肌身之服贈與異性,乃格別情愛之具體表現。而衣(ぬき)多指觸於人目之外裝,「裳(ころも)」則為內衣為主。身著異性之裳者,如『萬葉集』747等多為男性著女裳,但如3011「我妹子に衣(ころも)借香の宜寸川」等,女性向男性借裳而著之例亦不少。
「枕(まくら)を放(さ)けず」,不離枕邊。
「卷(ま)きて小寢(さね)ませ」,「卷(ま)き」為著用,「ませ」乃敬體「ます」之命令形。

0637 娘子復報贈歌一首 【承前。】
 吾背子之 形見之衣 嬬問爾 余身者不離 事不問友
 我(わ)が背子(せこ)が 形見(かたみ)の衣(ころも) 妻問(つまど)ひに 我(あ)が身(み)は放(さ)けじ 言問(ことと)はずとも
 吾夫兄子之 餽贈緣物此衣者 以為結納信 肌身不離置眼前 縱彼無靈不言問
娘子 0637

「妻問(つまど)ひに」,此作求婚之贈物解。「に」乃「作為」之意。
「言問(ことと)はずとも」,衣乃非情之物,無法與人相語、相慰。

0638 湯原王亦贈歌一首 【承前。】
 直一夜 隔之可良爾 荒玉乃 月歟經去跡 心遮
 唯一夜(ただひとよ) 隔(へだ)てしからに 改(あらた)まの 月(つき)か經(へ)ぬると 心惑(こころまど)ひぬ
 雖唯一夜間 倆倆相隔不相見 日新月易兮 心猶經月久未晤 方寸千頭萬緒亂
湯原王 0638

「心惑(こころまど)ひぬ」,此云心思紊亂難以分別之狀。原文「心遮」或與2961有關,而意或乃心靈之動為遮阻而淀。

0639 娘子復報贈歌一首 【承前。】
 吾背子我 如是戀禮許曾 夜干玉能 夢所見管 寐不所宿家禮
 我(わ)が背子(せこ)が 如是戀(かくこふ)れこそ 烏玉(ぬばたま)の 夢(いめ)に見(み)えつつ 寢(いね)らえずけれ
 親親吾兄子 汝戀妾身銘如此 漆鄢烏玉兮 夢中每現汝形影 相會邯鄲不得寢
娘子 0639

「如是戀(かくこふ)れこそ」,如此乃指前曲之內容。
「烏玉(ぬばたま)の」,以鄢之形象為夜之枕詞,更引申作夢之枕詞為用。
「寢(いね)らえずけれ」,「らえ」與中古語「られ」同,表可能。

0640 湯原王亦贈歌一首 【承前。】
 波之家也思 不遠里乎 雲居爾也 戀管將居 月毛不經國
 愛(は)しけやし 間近(まちか)き里(さと)を 雲居(くもゐ)にや 戀(こひ)つつ居(を)らむ 月(つき)も經無(へ)なくに
 嗚呼愛哀憐哉 汝之所處雖間近 卻遠猶雲居 吾戀汝命慕不止 分明相離未經月
湯原王 0640

「間近(まちか)き里(さと)を」,「間近き里」表娘子之住所。「を」表逆接,雖然距離近卻不得相會。
「雲居(くもゐ)にや」,如再遙遠天邊雲上之意。「や」表詠嘆疑問。

0641 娘子復報贈歌一首 【承前。】
 絕常云者 和備染責跡 燒大刀乃 隔付經事者 幸也吾君
 絕(た)ゆと言(い)はば 詫(わび)しみせむと 燒大刀(やきたち)の 邊付事(へつかふこと)は 幸(さき)くや我(あ)が君(きみ)
 若云絕緣者 汝念妾身當詫異 百鍊燒大刀 若依義理所來者 豈非幸歟吾君矣
娘子 0641

「絕(た)ゆと言(い)はば」,「絕(た)ゆ」表絕緣、離別。「言はば」之主語乃湯原王
「詫(わび)しみせむと」,「詫(わび)」乃詫異、失落之狀。
「燒大刀(やきたち)の」,入火千錘百鍊之刀,「へつかふ」之枕詞,然飾法未詳。
「邊付事(へつかふこと)は」,蓋依緣某物之意。
「幸(さき)くや」,健康無恙、無事之意。此云男方蓋以為題出訣別則女方將失落詫異,然以無所謂。

0642 湯原王歌一首
 吾妹兒爾 戀而亂者 久流部寸二 懸而緣與 余戀始
 我妹子(わぎもこ)に 戀(こひ)て亂(みだ)れば 繰(く)るべきに 掛(か)けて搓(よ)らむと 我(あ)が戀始(こひそ)めし
 親親吾妹子 吾思汝命情意亂 其猶繰心緒 掛而搓紡織而成 如是余戀慕情始
湯原王 0642

「戀(こひ)て亂(みだ)れば」,以亂緒比喻戀心。或本原文作「戀而亂在」,訛者字乎。
「繰(く)るべき」,繰絲之道具。
「掛(か)けて搓(よ)らむと」,將亂緒借織機重整之狀。

0643 紀郎女怨恨歌三首 【鹿人大夫之女,名曰小鹿也。安貴王之妻也。○第一。】
 世間之 女爾思有者 吾渡 痛背乃河乎 渡金目八
 世中(よのなか)の 女(をみな)にしあらば 我(あ)が渡(わた)る 痛背川(あなせのかは)を 渡兼(わたりか)ねめや
 妾若為世間 凡常之女庶民者 吾所越渡之 痛背之川或可渡 不須如此惜身名
紀郎女 0643

「世中(よのなか)の 女(をみな)にしあらば」,此云若己身為世間一般女性。紀郎女乃安貴王妻,礙於身分無法如庶民奔放自由。
「痛背川(あなせのかは)」,痛足川於穴師一帶之名。結合感嘆詞「あな」與兄・夫「せ」,蘊含對背叛自身之男子之怨恨。
「渡兼(わたりか)ねめや」,以渡川之冒險暗示不倫之關係。若為一般女子或非不可渡越,己則奈於此般誘惑而苦。

0644 【承前,第二。】
 今者吾羽 和備曾四二結類 氣乃緒爾 念師君乎 縱左久思者
 今(いま)は我(あ)は 侘(わ)びぞしにける 息緒(いきのを)に 思(おも)ひし君(きみ)を 許(ゆる)さく思(おも)へば
 妾身今氣竭 心詫落膽甚失意 懸以生息緒 不吝賭命所思君 今思或當縱其離
紀郎女 0644

「息緒(いきのを)」,此云維繫生命之羈絆。
「許(ゆる)さく思(おも)へば」,「許さく」乃「許す」之く語法,弛緩、令其自由、放手之意。
此云女方深愛男方,以此情念維繫性命,然男方要求訣別,開始雖欲挽留,今則心疲欲放手。

0645 【承前,第三。】
 白細乃 袖可別 日乎近見 心爾咽飯 哭耳四所泣
 白栲(しろたへ)の 袖別(そでわか)るべき 日(ひ)を近(ちか)み 心(こころ)に咽(むせ)ひ 音(ね)のみし泣(な)かゆ
 顧思白栲兮 訣別之時日將近 餘日更無幾 心中嗚咽滿傷懷 發音哭啼唯所泣
紀郎女 0645

「袖別(そでわか)るべき 日(ひ)を近(ちか)み」,應當訣別之日將近。
「心(こころ)に咽(むせ)ひ」,充滿心中。「咽」有嚥下之意。

0646 大伴宿禰駿河麻呂歌一首
 大夫之 思和備乍 遍多 嘆久嘆乎 不負物可聞
 大夫(ますらを)の 思侘(おもひわ)びつつ 度多(たびまね)く 嘆(なげ)く嘆(なげ)きを 負(お)はぬ物哉(ものかも)
 壯士丈夫之 思詫意窮情無措 幾度又幾許 悲嘆欷歔心懷恨 豈為汝可負物哉
大伴駿河麻呂 0646

「大夫(ますらを)の」,作者自述而予以一般化視點。
「度多(たびまね)く」,次數眾多。
「負(お)はぬ物哉(ものかも)」,「負ふ」乃罪報、處罰、人之詛咒、怨恨之疇。主語乃坂上娘女。

0647 大伴坂上郎女歌一首
 心者 忘日無久 雖念 人之事社 繁君爾阿禮
 心(こころ)には 忘(わす)るる日無(ひな)く 思(おも)へども 人言(ひとのこと)こそ 繁(しげ)き君(きみ)にあれ
 妾心唯念君 無日忘懷常思慕 然君浮名盛 流言蜚語未嘗絕 浮名如此吾君矣
坂上郎女 0647

「人言(ひとのこと)こそ 繁(しげ)き君(きみ)にあれ」,此云駿河麻呂浮名不斷,人皆云其不實之徒。要如何令己身相信其言。

0648 大伴宿禰駿河麻呂歌一首
 不相見而 氣長久成奴 比日者 奈何好去哉 言借吾妹
 相見(あひみ)ずて 日長(けなが)く成(な)りぬ 此頃(このころ)は 奈何(いか)に幸(さき)くや 不審我妹(いふかしわぎも)
 倆倆不相見 相別以來日已久 近頃比日者 可享清平度如何 其無恙乎無妹矣
大伴駿河麻呂 0648

「奈何(いか)に幸(さき)くや」,「奈何(いか)に」乃探問感歎詞。如何、何如。王羲之「周參軍帖」有「不審尊體何如」云云。「幸(さき)く」乃平安、無事,原文「好去」與「比日」皆為書翰常用語。
「不審」,用於探問對方是否無恙,與前句「奈何(いか)に」相接,「不審...何如」之意。

0649 大伴坂上郎女歌一首
 夏葛之 不絕使乃 不通有者 言下有如 念鶴鴨
 夏葛(なつくず)の 絕(た)えぬ使(つか)ひの 淀(よど)めれば 事(こと)しも有(あ)る如(ごと) 思(おも)ひつるかも
 其猶夏葛兮 不絕往來使人者 比日淀不通 蓋為有事斷絡繹 吾衷念之心慌亂
坂上郎女 0649
 右,坂上郎女者,佐保大納言卿之女也。駿河麻呂,此高市大卿之孫也。兩卿兄弟之家,女孫姑姪之族。是以題歌送答,相問起居。

「夏葛(なつくず)の」,「絶えぬ」之枕詞。葛乃秋七草之一。
「淀(よど)めれば」,「淀(よど)む」乃停滯。此云使人不再來訪。
「事(こと)しも有(あ)る」,是故、意外。

0650 大伴宿禰三依離復相歡歌一首
 吾妹兒者 常世國爾 住家良思 昔見從 變若益爾家利
 我妹子(わぎもこ)は 常世國(とこよのくに)に 住(す)みけらし 昔見(むかしみ)しより 變若坐(をちま)しにけり
 親愛吾妹子 汝蓋暫居常世乎 仙境常世國 今見汝命比往昔 年齒彌稚更返老
大伴三依 0650

「我妹子(わぎもこ)」,一說為賀茂女王,然通說作與坂上郎女之應答較為自然。
常世國(とこよのくに)」,不老不死之異界。蓋受中國神仙思想之影響而成之理想鄉。
「變若坐(をちま)しにけり」,まし乃表尊敬之語。「變若(をち)」,與變若水傳說有關。

0651 大伴坂上郎女歌二首
 久堅乃 天露霜 置二家里 宅有人毛 待戀奴濫
 久方(ひさかた)の 天露霜(あめのつゆしも) 置(お)きにけり 家(いへ)なる人(ひと)も 待戀(まちこ)ひぬらむ
 遙遙久方兮 天之露霜所降置 留置家中者 久待伊人歸來日 心戀鬱鬱守舍間
坂上郎女 0651

「家(いへ)なる人(ひと)も」,「家にある人」之約。用「も」字表自身亦情同與此。

0652 【承前,第二。】
 玉主爾 珠者授而 勝且毛 枕與吾者 率二將宿
 玉守(たまもり)に 玉(たま)は授(さづ)けて 且(か)つ且(が)つも 枕(まくら)と我(あれ)は 去來二人寢(いざふたりね)む
 明珠美玉矣 已授玉守不在傍 明珠不在掌 今吾形隻身影孤 唯有與枕相共眠
坂上郎女 0652

「玉守(たまもり)」,可寄託玉石與之並守護者。此以玉石比喻千金,而其夫婿自為玉守。此歌玉者有二說,唯指二孃者,玉守為駿河麻呂。同指大孃、二孃者,則為家持與駿河麻呂。
「且(か)つ且(が)つ」,形容雖非本意,但須完成某事之副詞副詞。

0653 大伴宿禰駿河麻呂歌三首
 情者 不忘物乎 儻 不見日數多 月曾經去來
 心(こころ)には 忘(わす)れぬ物(もの)を 儻(たまさか)に 見(み)ぬ日(ひ)さ數多(まね)く 月(つき)そ經(へ)にける
 情雖不忘懷 懸掛心頭常惦記 然儻離別起 不見之日數已多 不覺經月未逢見
大伴駿河麻呂 0653

「儻(たまさか)に」,偶然,不覺之間。
「さ數多(まね)く」,「數多く」為表日數、次數之多之副詞。「さ」乃接頭語。
此歌為辯解之詞,蓋贈坂上郎女之歌。

0654 【承前,第二。】
 相見者 月毛不經爾 戀云者 乎曾呂登吾乎 於毛保寒毳
 相見(あひみ)ては 月(つき)も經無(へな)くに 戀(こふ)と言(い)はば 輕率(をそろ)と我(あれ)を 思(おも)ほさむ哉(かも)
 自前相會起 時日雖去未經月 若云戀慕者 蓋以無病強呻吟 思吾輕率賦愁哉
大伴駿河麻呂 0654

「輕率(をそろ)」,魯莽、輕率之意。
萬葉集1548坂上郎女歌「咲花も 早熟(をそろ)は厭 晚芽なる 長き心に 尚及かずけり」http://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1548

0655 【承前,第三。】
 不念乎 思常云者 天地之 神祇毛知寒 邑禮左變
 思(おも)はぬを 思(おも)ふと言(い)はば 天地(あめつち)の 神(かみ)も知(し)らさむ 邑禮左變(訓不詳)
 若心實不念 口上佯言慕念者 天地六合間 神將知悉降神罰 縱言慕念邑禮者
大伴駿河麻呂 0655

「思(おも)はぬを 思(おも)ふと言(い)はば」,口上言及愛慕而心中未必真誠。亦見於『萬葉集』561、3100。
「邑禮左變(訓不詳)」,難訓。有「邑(さと)し礼(いや)さへ」、「国こそ境へ」、「さとれさかはり」、「巴禮(とまれ)佐變(かくまれ)」、「歌飼(うたがふ)名齋(なゆめ)」、「さとのかみさへ」等說,此姑按「邑し礼さへ」譯之。 http://blog.goo.ne.jp/taketorinooyaji/e/5c7bfecb55924f0d3ee301e6e0c76eb9

0656 大伴坂上郎女歌六首 【六首第一。】
 吾耳曾 君爾者戀流 吾背子之 戀云事波 言乃名具左曾
 我(あれ)のみそ 君(きみ)には戀(こ)ふる 我(わ)が背子(せこ)が 戀(こ)ふと云事(いふこと)は 言慰(ことのなぐさ)そ
 唯吾懷誠心 戀君真摯無所欺 吾之兄子者 所謂戀者如浮雲 無非慰言巧語矣
坂上郎女 0656

「我(あれ)のみそ 君(きみ)には戀(こ)ふる」,相對駿河麻呂贈歌「思はぬを 思ふと言はば」,申明自身情切。
「言慰(ことのなぐさ)そ」,「慰(なぐ)さ」與「慰(なぐ)む」同源,慰藉心靈之意。或為慰藉己心,或為慰藉他人,此為後者。言男方所言不過欲令女方心安而已。

0657 【承前,六首第二。】
 不念常 日手師物乎 翼酢色之 變安寸 吾意可聞
 思(おも)はじと 言(い)ひてし物(もの)を 唐棣花色(はねずいろ)の 移(うつ)ろひ易(やす)き 我(あ)が心哉(こころかも)
 雖言不復念 不欲慕戀以煩心 唐棣花色兮 怎謂變心移情易 吾心難以徹其衷
坂上郎女 0657

「思(おも)はじと 言(い)ひてし物(もの)を」,明明已告訴自己不莫再愛人了。
「唐棣花色(はねずいろ)」,「移(うつ)ろひ」之枕詞。以花失色為人心易變之飾語。然其花時為何花,仍待後考。天武紀有「朱花,此云はねず。」云云。
「移(うつ)ろひ易(やす)き」,此云自身不復愛人之決定無法堅持,又復陷於戀情。

0658 【承前,六首第三。】
 雖念 知僧裳無跡 知物乎 奈何幾許 吾戀渡
 思(おも)へども 驗(しるし)も無(な)しと 知(し)る物(もの)を 何(なに)か幾許(ここだ)く 我(あ)が戀渡(こひわた)る
 身受相思苦 百般慕之無效驗 妾雖知此理 奈何妾心難自己 幾許戀渡念伊人
坂上郎女 0658

「驗(しるし)」,效驗、效果。原文「知僧」之「僧」乃法師之意。2094有「落僧(ちらくし)惜しも」與之相類。
「何(なに)か幾許(ここだ)く」,何以如此之多。

0659 【承前,六首第四。】
 豫 人事繁 如是有者 四惠也吾背子 奧裳何如荒海藻
 豫(あらかじ)め 人言繁(ひとごとしげ)し 如是(かく)し有(あ)らば しゑや我(わ)が背子(せこ) 奧(おき)も何如(いか)にあらめ
 流言蜚語矣 人言痛矣豫甚繁 事既如是者 噫乎去來吾兄子 今後未然當何如
坂上郎女 0659

「しゑや」,不顧一切,捨缽氣氛之感嘆詞。
「奧(おき)も何如(いか)にあらめ」,此「奧(おき)」與「奧(おく)」同源,將來之結果。此以疑問語+已然形表推量。又原文「荒海藻(あらめ)」與「奧(おき=沖)」乃緣語。

0660 【承前,六首第五。】
 汝乎與吾乎 人曾離奈流 乞吾君 人之中言 聞起名湯目
 汝(な)をと我(あ)を 人(ひと)そ離(さ)くなる いで我(あ)が君(きみ) 人(ひと)の中言(なかごと) 聞(き)きこす莫(な)ゆめ
 汝與吾之睦 人欲離間阻相善 還願吾君矣 莫聞他人惡中言 流言蜚語不足取 
坂上郎女 0660

「汝(な)をと我(あ)を」,此類句以「汝(な)と我(あ)とを」較為多見。又「汝(な)」多半為男稱女之代名詞,然坂上郎女於528亦有稱呼男方之用例。
「人(ひと)そ離(さ)くなる」,人欲離散他人之睦而散怖之謠言。「なり」乃傳聞。
「いで」,乞求、冀望之意。
「中言(なかごと)」,為了拆散他人之情而訴之言語。

0661 【承前,六首第六。】
 戀戀而 相有時谷 愛寸 事盡手四 長常念者
 戀戀(こひこ)ひて 逢(あ)へる時(とき)だに 愛(うつく)しき 言盡(ことつ)くしてよ 長(なが)くと思(おも)はば
 戀戀長相思 有朝一日相逢時 當盡愛之語 羅列辭藻訴慕情 若誠久慕長思者
坂上郎女 0661

「戀戀(こひこ)ひて」,動詞以連用形相疊+て字,表長時間動作持續,終於有某種結果。
「愛(うつく)しき」,對弱小者之憐愛之情。
「言盡(ことつ)くしてよ」,「盡(つ)くす」乃「盡きるようにする」之意。「てよ」乃完了助動詞「つ」之命令形。